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住宅の太陽光発電 注意点の冊子作成へ デメリットも知って検討を

クリーンで再生可能なエネルギーとして東日本大震災以降、一般家庭での設置が急増している太陽光発電システム。電気代節約や売電などのメリットがいわれることが多いが、不具合や故障が生じるケースもある。デメリットも知ったうえで設置を検討してもらおうと、消費者グループが注意点をまとめた冊子を作成中だ。(平沢裕子)

 

■消費者目線で

 

冊子作りに取り組んでいるのは、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会東日本支部「エネルギーとライフスタイル研究会」の会員10人。研究会は日本のエネルギー供給の現状を学ぶことなどを目的に平成21年に設立。これまでに「くらしとエネルギー」などをテーマに、専門家を呼んでのシンポジウムや勉強会を開催してきた。

太陽光発電に注目したのは、消費者が直接関与できる数少ない再生可能エネルギー源の一つのためだ。設置には200万~300万円と高額な費用が必要だが、「メンテナンスフリー」「余った電気を電力会社に販売できる」などメリットをうたう情報ばかりが目につき、メンバーらは「消費者は長所・短所を本当に理解したうえで設置しているのか」と疑問に思ったこともあった。

幹事の根岸哲さん(76)は「太陽光発電に関連した協会や組織は、パネルメーカーや設置業者の団体が運営しているものがほとんど。高価な買い物だけに、設置業者と話す前の段階でもっと消費者目線の情報にも触れられるようにする必要があると思った」と説明する。

 

■設置目的考える

 

太陽光発電の使用年限は10~15年と長い。しかし、一度設置し、運転を始めてしまうと、屋根の上で故障が起きているかどうかは分かりにくい。パネルメーカーが「発電能力を保証する」としていても、天候によって発電量が異なることもあり、業界でも共通の規格があるわけでなく、各社の対応に任せられているのが現状だ。

「発電量が数年で30~40%下がったというケースもあったが、パネルの不具合が原因かは素人には調べられない。保守点検でもパネル個々の出力は点検しないので、故障しているパネルがあっても気づかないことが多い」と根岸さん。

パンフレットなどでメリットとして挙げられる「災害・停電時の非常用電源」としての機能も発電量は最大1・5キロワットで、電気釜やアイロンが使える程度。もちろん蓄電池がない場合、夜は非常用電源にならない。月々の電気代の節約や高値での売電を期待して設置する人も多いが、全ての人が期待通りの結果を得ているわけではない。

根岸さんは「補助金や高値売電の言葉につられ、深く考えずに設置してトラブルになっている人もいるようだ。設置を考えている人は、まず何のために設置するのか、期待発電量を含めて具体的に決めることから始めてほしい」とアドバイス。そのうえで、「メンテナンスフリーといっても故障や不具合がないわけではない。分からないところはうやむやにせず、納得するまで業者と話し合うことが大切」と話している。

研究会では、設置にかかる費用や設置業者の見分け方などの情報をさらに精査したうえで、今秋までに冊子としてまとめる予定だ。

 

■トラブル相談、5年前の2.6倍

全国の消費生活センターなどに寄せられる太陽光発電に関するトラブルの相談は、平成24年度は4407件で、5年前の2.6倍に増加した。

国民生活センターによると、説明通りの発電量にならないことに対する相談が目立つという。最近の事例では、パネルに積もった雪が子供の頭を直撃し、けがをした▽訪問販売で契約し、代金を払ったが半年過ぎても取り付けてもらえない-などがある。

同センターは、補助金を受けることができる条件▽発電量や売電額の目安▽必要な諸費用-などの情報を自分で収集し、業者の説明に問題がないか確認するよう呼び掛けている。

 

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130703/trd13070307410002-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130703/trd13070307410002-n2.htm

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