ANA客室乗務員(CA)として12年。500万人のお客様の対応で気づいた、行動・言葉・気づかい・テーブルマナー・習慣とは?テレビ、新聞でも紹介された「100%好かれる1%の習慣」。第21回目は【人間関係を劇的に改善する「魔法の言葉」とは?】です。
人間は「自分の名前を呼んでくれる相手」に
好感をもつもの
住友生命が、3095人を対象に「あなたを笑顔にしてくれる言葉はなんですか?」というアンケートを実施しました(2010年)。
・第1位「ありがとう」(48・4%)
・第2位「大好き」(9%)
・第3位「愛している」(2・5%)
数字を見ると、「ありがとう」は、2位以下に大きな差をつけていることがわかります。
このように「日本人は、『ありがとう』という言葉が好き」という結果が出ていますが、私たちには、「ありがとうと並ぶくらい(あるいはそれ以上に)好きな言葉」があると思います。
なんだと思いますか?
それは、「自分の名前」です。
人間関係は「名前を覚えて呼び合うところ」から、本当の意味でスタートします。
そのことを意識して、私の研修では、必ず「ネームタグ(名札)」を用意いたします。
なぜなら、お互いの名前を呼び合うことで、コミュニケーションがとりやすくなり、場の雰囲気があたたまるからです(参加者が顔見知りの場合は、ニックネームで呼び合っていただくこともあります)。
私も、参加者のみなさんとお話をするときは、「○○さん、いまの意見はとてもいいですね」と、できるかぎり名前で呼ぶように心がけています。
人間は、「親しみ込めて名前を呼んでくれる人」に仲間意識を持つものです。
たくさんの人が雑談している中でも、
「自分の名前」だけは聞き取れるもの
ビジネスシーンでは、一度に4~5人のお客様と名刺交換をすることがあります。
そんなときでも、しっかりと、相手を名前で呼ぶことができれば、信頼感を与えることができるはずです。
メールを送るときも同様です。私は、「宛名」のほかに、「文章のなか」にも、すくなくとも1回は相手の名前を入れるようにしています。
名前が書かれてあると「自分のことをきちんと意識してくれている」という姿勢が、伝わりやすくなります(宛名は名字だけでなく、「フルネーム」で書くと丁寧です)。
「名前」は、その人にとって「もっとも気持ちの良い音(もっとも聞き取りやすい音)」だといわれています。
カクテルパーティーのように、たくさんの人が雑談をしているなかでも、「自分の名前だけは、自然と聞き取ること」ができます。
人は、関心の薄い音は雑音として処理しますが、「好きな音」にかぎっては、聞こえやすくする能力が備わっています。
このような「聴覚の力」を、心理学では「カクテルパーティー効果」と呼びます。
相手の名前を呼ぶことで、
「この人のために、なにかをしたい」と思ってもらえる
自我関与とは、「ある事柄を自分に関係があるものとして考えること」です。
「○○さん」と名前を呼ばれると、その話題や出来事に、「自分も深く関わっている」と認識する。
すると呼びかけてくれた人に好意を持ち、「その人のために、なにかをしたい」という気持ちになるのです。
ただし、あまりに名前を呼びすぎると、かえって相手にマイナスの印象を与えてしまいます。
初対面の男女を被験者とした実験では、「15分以内に6回以上名前を呼ばれると、慣れ慣れしさを覚える」という結果が出ています。
つまり、初対面にかぎっては、3分に1度以上は、「やりすぎ」ということ。なにごともバランスが大切ですね。
人は、相手のことを知ったときより、自分のことを知ってもらえたときに心が開きます。
そして「あなたを大切に思っている」という気持ちを端的に表現する方法が、「名前を呼ぶこと」なのです。
たとえ、相手が年下でも、「あなた」や「キミ」と呼ぶのではなく、しっかりと「名前」で呼ぶようにしましょうね。
著者:松澤萬紀(まつざわまき) 日本コミュニケーションマナー協会・代表。
幼少期よりCA(客室乗務員)に憧れ、8回目の試験で念願のCAに合格。ANA(全日空)のCAとして12年間勤務する。トータルフライトタイムは 8585.8時間(地球370周分)。ANA退社後は、コミュニケーションマナー講師、CS(顧客満足度)向上コンサルタントとして活動。年間登壇回数は 200回以上。総受講者数は、2万人以上。リピート率は97%に達している。また、読売テレビ「ミヤネ屋」への出演、毎日新聞にも掲載されるなど、メディアでも活躍中。
【オフィシャルHP】
http://www.matsuzawa-maki.com/
ANA客室乗務員として12年。500万人のお客様の対応で気づいた、行動・言葉・気づかい・テーブルマナー・習慣とは?テレビ、新聞でも紹介された「100%好かれる1%の習慣」とは?
ほぼ100%に近い確率で、どんな人からも好かれるためには、「相手がどう思うか」「なにをすれば相手が喜んでくれるのか」を察する「相手を気づかう心」を持ち、それを言葉と行動に込める「習慣」を身に付けることです。ですが、その気づかいの習慣を持っている人は、わずかに「1%」でしょう。そして、やろうと思えばだれでも実行できる、たった「1%の習慣」です。
本書では、「劇的に人生を好転させた人」たちが身につけている「1%の習慣」を、39個、ご紹介いたします。
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