じめじめと蒸し暑い梅雨には、酢を使った料理がお勧めだ。調理の際に少しだけ酢を加えれば、食品中の細菌の繁殖を抑えて日持ちを良くし、さっぱり感が増し、食も進む。今の季節に合う、酢を使ったレシピを紹介する。(清水麻子)
梅雨の時期から夏にかけて気になるのは、食品中の細菌だ。古くから経験則として知られてきた酢だが、ミツカン開発技術部の食酢担当、大池正樹さんによると、酢の中の酢酸濃度が0・1%で、サルモネラ菌やブドウ球菌など代表的な食中毒菌の繁殖を抑制する。
コンビニエンスストアの弁当のご飯には腐敗防止のため、酢が使われている。家庭でもこの時期、お弁当や作り置きのおかずなどを調理する際は酢を混ぜれば安心だ。
きんぴらは、しょうゆの量を減らし、代わりに酢を少し加えると、味がしまるうえ、日持ちして一石二鳥。
ハンバーグは、ひき肉をこねる際に少量の酢を加えると、傷みにくく風味も増し、ジューシーに仕上がる。豚肉のショウガ焼きは肉を焼いた後、酢を加えた調味料を回し入れ、肉と絡めると、さっぱりおいしく仕上がる。煮魚などの魚料理にも少量の酢を加えると味がしまる。
酢は加熱するとまろやかになるので、出来上がった料理にかけるのではなく、調理時に加えて加熱すれば、ツンとした酢特有の感じが気にならない。
◆重宝するピクルス
この時期、弁当などにお勧めしたいのがピクルス。「さまざまな野菜でピクルスを作れば、生野菜よりも防腐効果があり、重宝します」(ミツカン広報担当)。一度作れば、常備菜として冷蔵庫で1週間程度は保存可能だ。
ピクルスは大根やニンジン、セロリやキャベツなど、やわらかい葉物以外ならどんな野菜でも作れるので、野菜が余ったらピクルスにすれば経済的。オクラや長イモなど粘りが出る野菜、ミョウガなどのにおいが強いもの、ナスやラディッシュなど色の強い野菜は、他の野菜と混ぜずに個別に漬けた方がいい。一度酢を火やレンジに掛けてから漬ければ、まろやかに仕上がる。
食欲が減退しているときは酢のドリンクもお勧め。大さじ1杯の酢を毎日取ることで、高めの血圧や血中脂質が低下する効果があり、健康にもいい。
【さっぱりショウガ焼き】 《材料・2人分》
豚ロース肉…200グラム
〈調味料〉穀物酢、しょうゆ…各大さじ1/2▽酒、本みりん…各大さじ1▽ショウガ…1片
〈付け合わせ〉キャベツ、キュウリ、トマト…各適宜
〔1〕ショウガは皮付きのままおろし、調味料と合わせておく。
〔2〕フライパンにごま油大さじ1/2を熱し、豚肉を強火できつね色に焼く。余分な油を取り、(1)を回し入れ、肉を返しながらからめる。
〔3〕付け合わせとともに器に盛る。
【フレッシュピクルス】 《材料・2人分》
〈お好みの野菜〉キュウリ、ニンジン、タマネギ、大根、キャベツ、ミニトマト…計150グラム
〈調味料〉穀物酢、砂糖…各大さじ5▽塩…大さじ1/2
〔1〕キュウリは長さ5センチ、縦6等分に切る。ニンジンは短冊切り、タマネギは繊維を断つように5ミリ幅に切る。大根は7ミリ角のスティック状に切り、キャベツは1.5センチ幅に切る。ミニトマトはへたを取り、縦半分に切る。
〔2〕ジッパー付き保存用袋にミニトマト以外の(1)の野菜を入れ、調味料を注いで空気を抜いてジッパーを閉め、よくもむ。ミニトマトを加え、30分ほど漬ける。
【黒酢はちみつミルク】 《材料・1人分》
牛乳…200ミリリットル▽純玄米黒酢、はちみつ…各大さじ1
〔1〕牛乳にはちみつを溶かし、純玄米黒酢を少しずつ入れ、よくかき混ぜる。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/snk20130627510.html