世界の科学者らで組織する国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れのある野生生物を分類した「レッドリスト」で、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定するよう検討していることが22日、分かった。来月1~5日に英国で専門家を集めた会合を開き、議論する。
ニホンウナギは日本など東アジア一帯で個体数が減り、日本の環境省のレッドリストが2月、絶滅危惧種に指定。IUCNの指定に法的拘束力はないが、国際的に絶滅危惧種として認知され漁獲や国際取引の規制を求める声が高まることになる。会合の準備資料は、日本全国で親ウナギの漁獲量が過去30年間に約9割減ったと記載。台湾やフィリピンでも減少したほか、河川環境の悪化や漁業が最大の脅威となっているとも言及し、絶滅危惧種指定の可能性は高いとみられる。
日本人は主にニホンウナギやヨーロッパウナギを食べてきたが、最近の減少を受け、日本の業界にはアメリカウナギや熱帯域のウナギの利用を進める動きが目立つ。今後、絶滅の危険性の評価などが進めば、外来ウナギの利用に慎重な行動を求める声が高まることは確実で、日本での価格や食卓への影響も予想される。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130623/trd13062312060006-n1.htm