東日本大震災で被災した岩手県大槌町の女性たちによる「大槌復興刺し子プロジェクト」と、全国展開する生活雑貨店「無印良品」のコラボ商品が誕生した。14日に一部店舗で試行発売し、収益の一部は製作者に支払い、生活再建の一助にしてもらう。大手雑貨店の支援に、女性たちは張り切って針を進めている。
無印良品を展開する良品計画(東京)と、プロジェクトを運営するNPO法人「テラ・ルネッサンス」(京都市)が商品を共同開発した。
コースター(500円)ティーマット(800円)ランチョンマット(1000円)の3種類。麻の端布を有効活用し、町の象徴の波とカモメを縫い取りした。
角度を変えると「3.11」と読め、震災が風化しないようにとの思いも込めた。それぞれ1枚当たり80円が製作者の賃金となる。
ことし3月に生産を始め、現在は42人が関わる。刺し子とミシン縫いを担当する大槌町の主婦中村明美さん(44)は「自分たちの作品が無印良品に並ぶのがうれしい。店頭で手に取ってくれるお客さんを考えながら作っている」と話す。
試行的に14日から東京・青山や大阪、博多などの7店舗にある「Found MUJI」で計300点を販売。10月からは全国の無印良品で計8000点を扱う。
プロジェクトは首都圏からのボランティア5人が2011年6月に始めた。大槌町の女性に布巾やTシャツなどに刺しゅうしてもらい、プロジェクトのホームページや通信販売会社の協力で販売している。これまで127人に計1223万円の工賃を手渡したという。
連絡先はテラ・ルネッサンス大槌復興刺し子プロジェクト事務所0193(55)5368。
河北新報社
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/life/education/kahoku_K201306160A0EA0XX00003_220357.html