Google・盲目の開発者「目の見えないわれわれこそ、次世代技術のアーリーアダプタ」
「すべての情報を整理し、すべての人がアクセスできるようにする」。Googleは、自ら掲げる使命に対して忠実だ。まず前者、情報の収集については明白で、検索窓に欲しいものを入力するだけで、ウェブ上の情報のみならずデータ化された紙の本も見ることができる。さらに、Google Earthでは文字通り地球の全景を画面上に映し出してくれるし、ストリートビューで裏路地を歩き回ることだって可能だ。
では後者、<誰もがその情報を利用できる>という点についてはどうだろうか。
その答えのひとつが、「アクセシビリティ」(アクセスしやすさ、いかに支障なく利用できるか)への取り組みだ。Googleは、”本当に”すべての人が情報にふれることができるように、高度なアクセシビリティを追求している。
リサーチサイエンティスト・T.V Raman (T.V ラマーン)は、AndroidやChromeの開発にTech Leadとして参加し、アクセシビリティを高めるための技術開発を統括している。自身、視覚障害をもつラマーンが来日し、語った内容を紹介。
新技術のアーリーアダプタ
Googleが目の不自由な人のための読み上げ機能を取り入れたのは、2008年のこと。その1年後リリースした自動車のドライバーのための機能は、対象こそ違うけれど基本的には同じものだった。運転中、画面を見ることのできない運転手のために、音声で情報を伝えてくれる。
これはつまり、僕のように目の見えない人間のための機能が、数年後、新しい技術として人々の生活を変えていくということ。言ってみれば僕らは、常に新しい技術に最初にふれることができるアーリーアダプタなんだ(笑)
オープンプラットフォーム
ChromeもAndroidもオープンプラットフォーム。あらゆる人が開発に携わることができるので、あらゆるニーズに対応することができる。目が見えない、耳が聞こえないだけでなく、多様な用途に対応することが可能だ。
なおかつ、プラットフォームそのものに参加するのに、お金が必要ではないのも重要だ。アクセシビリティとは、簡単に手に入るものでなければならない。お金を使わなければ手に入らないならば、それはアクセサブルとはいえない。
Googleグラス
スマートフォンは、とてもパワフルなデバイス。カメラは目となりマイクは口となり、組み込まれたアクセラレータは今どういう状況なのかを理解してくれる。(Googleグラスのような)ウェアラブル・デバイスの開発はいま始まったばかりだが、これからの5年で、目となるものが目の位置に、口となるものは口に、耳となるものは耳に設置される。スマートフォンが今世の中の主流となったように、世界を変える存在になると予想している。
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/lifehacker_32363.html