大雨の際、水田に一時的に水をため洪水を防ぐ「田んぼダム事業」に取り組んでいる見附市は9日、水田の排水量を抑制する新型水位調整管の設置作業を同市今町地区で実施した。今年度中には市内全水田に新型調整管を設置する方針。
従来の調整管は、農家が管の高さを変えて排水調整する必要があり、適正な活用に課題を残していた。このため、同市と新潟大農学部の吉川夏樹准教授の研究チームが、排水穴を直径5センチに狭めることで安定的な排水量を保てる「新型調整管見附モデル」を共同開発していた。
この日は同地区の農家ら27人が参加。約350ヘクタールある水田の各排水口に新型調整管計1039本を取り付けた。吉川准教授によると、最大湛水(たんすい)時で河川への排水量が30%に抑えられ、設置が広がれば大雨時の市街地の浸水面積が3~4割減らせるという。
吉川准教授は「農家に負担を強いる形では効果が期待できず改良した。これで活用率が高まれば」と話した。
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