平成24年の県内自殺死亡率が全国ワースト2位となり、新潟県は10日、自殺予防対策推進県民会議を開き、泉田裕彦知事が、精神科救急情報センター設置を検討すると明言した。9月の定例県議会での提案を目指す。
県市町会や医師会、弁護士会などから約50人が出席し、県側から自殺の現状や予防対策の取り組みが説明された。厚生労働省が5日に公表した人口動態統計によると、昨年の県内自殺者は616人で、人口10万人に対する割合は26・4人。23年より1・3ポイント下がったが、ワースト3位だった同年より悪化した。総数の40~60代男性が約半数を占めているのが特徴だ。
会議では、染矢俊幸県精神医療機関協議会長(新潟大大学院教授)が「県内の自殺者のうち300~400人は何らかの疾患にかかっているにもかかわらず、精神科医療にたどりつかずに亡くなった。そこにきちんとアクセスできれば数十人程度に減らすことができる」と提言。
精神疾患者や家族がどこに相談していいか分からない状況から、全国的に設置されている精神科救急情報センターが県内にも必要だと指摘し、「20年ほど前から要望してきた。早急に設置してほしい」と述べた。
同センターは、緊急的なケアが必要な自殺未遂者が、どこの病院に行き、どう対応されているかを把握する組織で、新潟県を含む4県が未設置という。
泉田知事は「大変重要な指摘だ。9月議会に向けて検討していきたい」と応じた。
県障害福祉課によると、現在は精神科単体の29病院のうち26病院が当番制で救急対応に当たり、同センターの役割を担っている。ただ、治療中心のため、緊急対応が必要な患者を重症度に応じて受け入れてもらえる病院の調整や、救急医療機関の情報集約などを行う同センターを設置すれば「より特化した態勢が取れる」としている。
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