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汗に含まれるアトピー性皮膚炎の悪化因子はカビの1種の産生物 – 広島大

広島大学は6月6日、アトピー性皮膚炎の悪化因子として、ヒトの汗の中に含まれるカビの1種であるマラセチア属真菌「M.globosa」が産生するタンパク質「MGL_1304」に含まれるものが「ヒスタミン遊離活性物質(汗抗原)」であることを同定したと発表した。

成果は、同大 大学院 医歯薬保健学研究院の秀道広 教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間6月3日付けで科学誌「Journal of Allergy and Clinical Immunology」オンライン版に掲載された。

アトピー性皮膚炎はI型(それに加えてIV型の両方とされる)アレルギーに分類され、特徴的な皮疹の分布と痒みを伴い、慢性の経過をとる皮膚疾患だ(画像1・2)。アトピー性皮膚炎患者には症状を悪化させる数々の因子が存在するが、肘の内側、膝の裏、顔面、首などの汗のたまりやすい部位に湿疹がでやすいことなどから、汗は特に重要な悪化因子として認識されている。

秀教授らは、これまでアトピー性皮膚炎患者が自らの汗に対する即時型アレルギー反応を示すことを見出していた。そこで今回、汗がヒト白血球の1種である「好塩基球」を刺激する活性(ヒスタミン遊離活性)を指標にして汗を精製し(精製汗抗原)、アミノ酸配列の一部を決定(画像3・4)。それがM.globosaが産生するMGL_1304に含まれるものであることを同定したのである。

汗がアトピー性皮膚炎の悪化因子であることはこれまでも知られていたが、マラセチアという、ヒトの皮膚の表面に常在するカビの1種が分泌するタンパク質がアトピー性皮膚炎患者にアレルギー反応を起こすということは、まったく知られていなかったという。

さらに秀教授らは、MGL_1304の組換えタンパク質を作製しその性質の検討を行った(画像5)。作製したタンパク質は、アトピー性皮膚炎患者血液中の抗体「IgE」と結合し、また好塩基球からはヒスタミン遊離を起こすなど、これまで汗アレルギーの原因物質として想定されていた物質であることが証明されたのである。

MGL_1304はヒト肥満細胞株から脱顆粒を起こすと共に、アトピー性皮膚炎患者の末梢血好塩基球からアレルギー反応に重要な「サイトカイン」(細胞間でやり取りされる多様な生理活性を持つタンパク質の1種)の1つである「インターロイキン(IL)-4」の産生を引き起こすことも確認された形だ。

http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_809234.html

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