不況に強い業界とは何かご存じですか? それは化粧品業界。なぜかと言うと、「不況になると女性は自分をキレイにするため化粧品を購入するようになる」からです。この現象は、さまざまな心理テストや研究で裏づけされており、「Lipstick Effect」という名もつけられています。
●景気が悪化すると女性はキレイに
2008年と言えば、世界経済危機のため世界中で著しい販売の落ち込みを経験していたころ。その時期に、世界コスメティック最大手のロレアルは5.3%もの販売増加を記録しました。
景気と女性の関係を女性の消費活動にスポットにあて分析した最新の研究によると、女性は、景気が悪くなり社会が不安定になってくると、自分をキレイに見せ、異性を惹きつけるため化粧品などの商品の購入に走るそうです。
確かに、過去20年間の失業率の変動と消費者の消費活動を照らし合わせた分析結果でも、それを裏付ける数字が出ています。電化製品、レジャーやホビー商品への消費活動は減少するのに対し、コスメティックやボディケア商品の消費は増加しているです。
ある心理テストでは、男性が景気後退のニュース記事を読むと消費財の購入は概して減少の傾向が見られました。それに対し、女性では口紅などの自分をキレイにみせる商品の購入に走ることが明らかになっています。
●進化の過程にさかのぼる本能的行動
その心理的動機の解明のために、今回の研究では人間の進化にまでさかのぼりました。
人間の進化の過程で、生命にかかわる危機的な環境においては、私たちの遺伝子をつなぐことが大切なプライオリティーとなります。
そのために、「メス」は自分を魅力的に見せることで交配相手を確保しようという方向へ本能的に向かったということ。
不況はまさにその危機的環境の現代版と言えるでしょう。進化論に従えば、不況と言う多くの人が財政的困難に陥る時に、女性は、安全を提供できる「リッチな」男性を求めて戦う必要があるのです。
さらに、この女性の行動は、その人の財政的状況と関係なく確認できるそうです。つまり、高いお給料をもらっている女性であっても経済不況となるといつもより口紅が濃くなるなど「Lipstick Effect」の行動をとってしまうとのこと。やはり、本能には逆らえないということでしょうか。
http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/mynaviwomen-105006.html