[ カテゴリー:環境, 社会 ]

つながりの場を月1回再現 津波被災の保育所45家族 名取

東日本大震災の津波で被災し休止に追い込まれた宮城県名取市閖上保育所に子どもを預けていた父母らが、震災後は分散して暮らす中で月1回ほど集まり、思いを通わせる場をつくっている。子どもが受けた心の傷を癒やす「げんきキッズ」と銘打つ取り組み。気心が知れ痛みも共有する者同士で、子どもも大人も心を解きほぐすひとときを過ごしている。 
「げんきキッズ」は昨年12月に始まった。震災当時に閖上保育所に子どもが通っていた45家族が参加。市内の館腰公民館や下増田公民館に集う。 
それぞれの家族は、市内外のみなし仮設住宅などで暮らしている。「げんきキッズ」は閖上保育所でつながるコミュニティーを再現させる場だ。 
餅つきをしたり、思い出の写真の整理をしたり活動はさまざま。4月下旬には、震災後の支援活動で出会いがあった女優かとうかずこさんが駆け付け、絵本の読み聞かせをした。その間、父母たちは別室で近況を語り合った。 
閖上保育所の保護者会長だった小野直子さん(42)は「『閖上の仲間に会いたい』と思っても、離れ離れに暮らす中で、みんなで集まれる場がなかった。子どもも大人も再会を喜び、楽しく時を刻んでいる」と語る。 
定期的な再会の場の必要性は、以前から感じていた。一気に具体化したのは、津波警報が出された昨年12月7日のマグニチュード(M)7.3の地震だった。 
名取で震度4の大きな揺れに、動揺する子も目立ったという。震災の痛みが子どもたちの心の中から拭い去られていないと感じた小野さんら関係者が連絡を取り合い、子どもの心のケアを特に重視した集いの場を設けることにした。 
「小さな子は自分の状況を他人に訴えることができず、心のケアはともすれば後回しになりがち」。震災時に閖上保育所長を務めていた佐竹悦子さん(61)はこう説明し、「げんきキッズ」の活動に積極参加する。 
佐竹さんは「子ども向けの支援は意外と少ない。持続的に取り組んでいきたい」と話す。

http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/life/education/kahoku_K201306050A0M206X00001_084333.html

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