便秘対策だけでなく、ダイエット目的やコレステロールを低下させる作用もある「食物繊維」たくさん摂(と)りたい成分ですが、どんな摂(と)り方でも効果は同じなのでしょうか?
野菜や海藻類などの食物だけでなく、「食物繊維入り」とされた加工食品もたくさん見かけます。特にドリンク剤は手軽にたくさん食物繊維を摂(と)れるようなイメージがありますが、目的によって選び方があるのでしょうか?
みなさんは、食物繊維に不溶性と水溶性の2種類があるってことは、知っていますか?
聞いたことがあるとしても、それぞれどう違うのかを説明するのは難しいですね。
そこで、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の性質と働きについて、簡単に解説します。
■不溶性食物繊維
穀類やいも類、野菜に含まれるセルロースやヘミセルロースといった食物繊維は、大腸内で水分を吸収し、便を大きく柔らかく保ち、腸内の通過時間を早める働きがあります。
これらは便秘解消の強い味方になります。
また、穀類や豆類、根菜類に多く含まれるリグニンという食物繊維は、胆汁酸を吸着し、血中コレステロールを抑制する働きがあります。消化率を下げて便の腸内通過時間を早めますが、それだけではなく、善玉菌を増やすのにも一役買っています。
■水溶性食物繊維
果物や野菜、いもなどに含まれるペクチンは、優れた整腸作用で下痢や便秘の予防にも役立っています。
また、こんにゃくに多く含まれるグルコマンナンは、食べたものの消化・吸収を抑え、満腹感をアップするためダイエット食品ではおなじみの食物繊維。
さらに、こんぶやワカメに多く含まれるアルギン酸は、血中コレステロールの低下、血糖値の抑制、さらに、高血圧の予防にも効果的だと言われています。
ドリンク剤に含まれる食物繊維の多くは、デキストリンと呼ばれる「水溶性食物繊維」。全般的に、糖や脂肪の吸収を低下させたり、血中コレステロールを下げたり、血圧を正常化したりといった働きがありますが、直接、便秘の改善を促すわけではありません。
もし、便秘解消を望むなら、ドリンク剤ではなく、野菜の不溶性食物繊維をしっかり摂(と)ることをおすすめします。
お肉好きで、野菜嫌いの人に大腸ガンが多いとされているのは、この不溶性食物繊維不足が大きな要因ではないかと言われているのです。
現代人は特に食物繊維が不足していると言われ続けています。
水溶性、不溶性ともに食物繊維をもっとたくさん摂(と)れるように、毎日の食生活を工夫してみてください。
マイナビウーマン
http://news.goo.ne.jp/article/mynaviwomen/life/medical/mynaviwomen-96036.html