毎日温泉で病気予防?=脳卒中や心筋梗塞少なく-大分・別府で初の大規模調査
毎日温泉に入る人は脳卒中や心筋梗塞にならない可能性が高い?―。温泉の源泉数と湧出量日本一を誇る大分県の別府市で行われた初の大規模医学調査でこんな結果が出た。市は「市民の健康づくりや観光PRに活用できたら」と期待している。
同市には地球上の11種類の泉質のうち放射能泉を除く10種類がある。毎月定額を支払えばいつでも入浴できる施設や無料の温泉など一般に開放されている施設が約400あり、温泉は市民生活の一部。県が「おんせん県」を商標登録申請し、反響も呼んだ。
ただ、一般に「効能」と呼ばれる健康への効果の医学的な根拠はこれまではっきりしていなかった。九州大病院別府病院は、温泉関係者の長年の疑問を解決しようと、市などの協力を得て65歳以上の男女2万人を対象にアンケートを実施。1万人超からの回答を中間報告としてまとめた。
三大疾病の心疾患と脳卒中、がんについて分析。温泉に入る頻度は「毎日」が5404人、それ以外が5022人で、毎日と答えたうち、心筋梗塞や狭心症の病歴がある人は331人(6.1%)で、毎日ではない人は411人(8.2%)。脳卒中は毎日入る人が109人(2.0%)、そうでない人が171人(3.4%)だった。一方、がんについては大きな違いが見られなかった。
同病院の前田豊樹准教授は「普通の入浴と比べて保温効果が高く血液の循環が良くなるため、血の流れが滞る病気に効くのでは」と説明。今後、高血圧や糖尿病などとの関係や、泉質による効果の違いを調べるほか、効果を上げる入浴法も突き止めたい考えだ。
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