「銀河鉄道の夜」などの作品で知られる宮沢賢治(1896~1933年)の小学校時代の成績や、身長、体重が記載された学籍簿が、出身地の岩手県花巻市の母校で見つかった。
5、6年時は皆勤賞で過ごし、10教科すべてが最高評価の「甲」。成績自体はこれまでも指摘例があったが、後年は病床につくことが多かった賢治が、幼少期では快活、元気で文武共に優秀だったことが学校資料で改めて裏付けられた。
学籍簿は今の「指導要録」で、学習状況などが記録され、学校が保管し指導などに役立てるための原簿。A4判よりやや小さく、表紙に「明治四十一年四月花城かじょう尋常高等小学校尋常科男児学籍簿」と記載されている。3~6年時の成績や、4~6年時の出欠状況、身体特徴などが記入されている。
5、6年時の教科は「修身(道徳に相当)」「国語」「算術」「日本歴史」「地理」「理科」「図画」「唱歌」「体操」「操行(行儀、態度)」の10教科。すべてが最高の「甲」だった。
身長は当時の小学生の平均並み。身長と体重は4年生で「一二二」センチ、「二三・〇五」キロだったが、6年生では「一三三・九」センチ、「二九・〇」キロに成長。体格は「中」から「強」となった。この後、進学校の旧制盛岡中学校(現・盛岡一高)に入学した。
学籍簿の存在は知られていたが、不明になっていた。賢治が在籍していた市立花巻小学校(当時の花城尋常高等小学校)に今年4月、赴任した今野充雅校長が校長室の金庫の中から発見した。紙箱に入った1909~18年の卒業児童学籍簿の中からみつかった。
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