ネット掲示板の「集団自殺」 志願者のふりして捜査員が未然防止
栃木県警は11日、インターネット掲示板を利用して集団自殺を試みた2人を保護したと発表した。捜査員が自殺志願者を装って日時や場所を聞き出した。保護されたのは神奈川県足柄上郡の無職男性(40)と栃木県北部の無職男性(19)。2人は保護された後、11日午前、それぞれの家族に引き渡された。
生活安全企画課によると、10日午後0時50分ごろ、県警サイバー犯罪対策室に都内のインターネット掲示板運営会社から「集団自殺を予告する書き込みを発見した」と通報があった。掲示板には「栃木県の某駅集合で方法は硫化水素」などと書き込まれており、捜査員が「まだ間に合いますか」と書き込んで連絡を取った。
捜査員が「JR西那須野駅に午後11時集合」と聞き出し、集合時間前に那須塩原市内のインターネットカフェ駐車場にいた2人を保護した。駐車場に止めてあった乗用車には、硫化水素を発生させるための薬剤や練炭、目張り用とみられる粘着テープなどがあった。
同課によると、2人は別のネット掲示板で知り合い、40歳の男性が集団自殺の希望者を募集した。自殺しようとした動機について40歳の男性は「就職先が見つからなかった」、19歳の男性は「将来に目標が持てなくて、生きているのがつらかった」と話した。いまは2人とも「警察や家族に迷惑をかけた」と謝罪の言葉を口にしているという。
ネット掲示板を用いた集団自殺の防止は栃木県警では初めて。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20130411572.html