長崎大が、長崎市内の医学部キャンパスに、最も危険性のレベルが高い感染症も研究できる「高度安全実験施設(BSL4=Bio Safety Level4)」を建設する構想を発表してから、間もなく1年。中国で鳥インフルエンザによる死者が相次ぐなど感染症への備えは国際的な課題だが、安全性に対する地元の不安感は根強く、先行きは不透明なままだ。
「映画では患者がくしゃみをしただけで病原菌が広がり、死者がたくさん出ていたが、どうなのか」
「危険な病原菌が患者との接触やダニの媒介で感染することはありますが、くしゃみ1回で街中が感染することはありません」
長崎市中央部の住宅地にある医学部キャンパスから約550メートル離れた公民館で2月6日、住民約50人が出席して開かれたBSL4施設の説明会。同大熱帯医学研究所の堀尾政博教授は、わかりやすい言葉を選びながら質問に答えた。
建設予定地の発表は昨年4月25日。6日後に開かれた初の住民説明会では「安全神話が崩れた原発の二の舞いになる」「住み慣れた町を逃げ出すわけにはいかない」といった悲痛な声も上がった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130408-00010000-yomidr-hlth