新潟市の中心街・古町に、新しい食料品店が6日にオープンしました。新しい店は江戸時代から続いた老舗の書店が3年前に閉店した建物にオープン。出店した人たちや買い物に訪れた地元の人たちからは、かつての活気が失われている古町に再び賑わいを戻ることを期待する声が聴かれました。
新潟市中央区の古町にオープンした食料品店には、初日のおとといだけで、1万人以上が買い物に訪れ、入場制限するほどの賑わいを見せました。
新しい店が入ったのは3年前に閉店した老舗書店「北光社」があったビルです。
江戸時代に創業し、古町地区で
100年以上にわたって営業を続けた北光社は多くの市民に親しまれましたが、大型の書店との競合やインターネットでの本の通信販売の利用が急増し、経営が悪化。3年前に惜しまれながら、190年の歴史に幕をおろしました。
さらに、その5ヶ月後には同じ古町にあったデパートの「大和」
新潟店も閉店し、かつてのにぎわいは失われ、中心市街地の空洞化に拍車がかかりました。
そこにオープンした食料品店には11の店舗が入っていますが、その多くが3年前まで「大和」の地下の売り場に店を出していました。焼き鳥店の店主の石川勝さんもそのひとり。大和の閉店でいったん店を閉めざるをえませんでした。「閉店したときは、お客さんからまた店どこに出すのとか、近くに出してくれとかいっぱい言われたんですけど、そんな簡単に出せるものじゃなかったんです」と話す石川さんはもう一度、古町に店を出せると信じ、今回古町に戻って開いた店で、大和の店でも使っていたという皿を再び店頭に並べました。「1か月前からずっと皿や道具を磨いて待ってたんですよ。みんなと一緒に仕事できること、お客さんが待っててくれたことそれが一番嬉しい」とうれしそうに話す石川さん。昔なじみの客も訪れ、再会を喜び合いました。
地元の人たちも古町に店が戻ってきたことを歓迎しています。
かつてに戻ったような賑わいを見せる新しい食料品店に、商店街では、さらなる活性化に向けたきっかけにしたいと意欲を見せています。地元の商店街の本間龍夫理事長は「老舗デパートと何代も続いた本屋が閉まり、新潟の2つの顔が一気に消えてしまったということでつらい思いをしていました。商店街にはまだなくなったままの業種の店もあるので、いかにそれらを戻していくか商店街の努力も必要だと思います」と話しています。
この新しい食料品店には、飲食店などもつくって、地元の人たちが再び古町に集まってくる場にしたいとしています。
デパート大和は、3年前に新潟の古町のほか、上越市の高田地区や長岡市の大手通からも相次いで撤退しました。このうち上越市でも活性化を目指して、大和の跡地に新しい商業施設が先月からオープンしています。
それぞれのまちで中心市街地に賑わいを取り戻すための試みが続いています。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1033727941.html