幼児期から小学校高学年(10歳くらい)までの「ゴールデンエージ」と呼ばれる子どもは、一般的にいきなり全力で遊び始める傾向が強いという。寒い時期は特に筋肉が活動しにくく、急に運動を始めると、ねんざや転倒などを起こしやすい。そこで今回は、身体運動科学の専門家・深代千之氏に、ケガのリスクを回避する効果的な方法を伺った。
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まず、運動前のウオーミングアップです。ここで大切なのは、「身体を温め、筋肉を伸び縮みさせておくこと」と覚えてください。具体的には、最初に軽くジョギングをし、身体が温まったら、次に体操をします。ラジオ体操でOKです。上半身と下半身をまんべんなく動かしてください。そして次に行ってほしいのが、「反動ストレッチ」と呼ばれるストレッチです。筋肉をゆっくり伸ばしていくのではなく、勢いをつけて瞬間的に伸ばすストレッチです。
人間の筋肉は、瞬間的に伸ばされると、それに対する反射で、すぐに縮もうとする作用が働きます。これを伸張反射と言います。この「反動ストレッチ」を行うと、筋肉の伸び縮み双方の準備ができて、さまざまな筋肉の温度をピンポイントで高めることができます。
きつい運動(あるいは夢中になった遊び)が終わったら、クーリングダウンです。クーリングダウンは、軽くジョギングをして、その後に「静的ストレッチ」を行います。「静的ストレッチ」は、時間をかけてゆっくりと筋肉を伸ばしていくストレッチです。立ったままで脚を前後に開き、両手を前の壁について、ゆっくりアキレス腱を伸ばすストレッチなどはよく知られていますね。「静的ストレッチ」は運動後に行うと効果的です。運動後のケアは見過ごされがちですが、しっかり行いましょう。
正しいウオーミングアップと運動後のケアを行えば、ケガを防ぎ疲労も回復し、体調を整えて体力をつけることができます。「ゴールデンエージ」の年代から、ウオーミングアップとクーリングダウンを習慣づけましょう。
ベネッセ教育情報サイト
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