子どもは遊びの中でさまざまなことを経験し、心や体を大きく成長させていく。その過程で、保護者はどのような援助をしていけばよいだろうか。発達心理学、幼児教育の専門家である東京学芸大学の岩立京子教授に、0~2歳児の遊びについて伺った。
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乳児期の子どもは、積み木やガラガラなどのおもちゃを使った遊びのほか、大人との手遊び歌やにらめっこなどの伝承遊びをとても喜びます。一人で楽しく遊び続けることはまだ難しいので、保護者が一緒に遊んだり、遊びのお手本を見せてあげたりすることが大切です。
まだ話すことができない0歳児でも、「いないいないばあ」をしてあげると、喜んでキャッキャッと声を出して笑い、「またやって!」という表情を向けてきます。大人にとっても嬉しい反応ですね。こうした子どもの要求に、保護者の皆さんはしっかりと応答してあげましょう。赤ちゃんの言動を真似したり、応答したりするだけも遊びになり、親子の間で楽しい、うれしいといった感情の響き合いが生まれます。赤ちゃんは保護者が反応してくれたことで心が満たされ、親子の愛着関係が深まっていきます。
乳児期は言語能力が未熟で、自分の気持ちをうまく表現することが難しいので、乳児同士を遊ばせると、いざこざが起こることもあります。遊びの楽しさを存分に味わってほしい時期なのに、お友達に泣かれたり、保護者に叱られたりする場面が多くなってしまうと、かわいそうな気がします。
この時期は、のびのび遊べるように保護者が環境を整えてあげることが大切です。たとえば、児童館に遊びに行く場合は、おもちゃの取り合いになって困らないようにお気に入りのおもちゃを用意する、ほかの友達にぶつからないよう距離を置いて遊ぶ、お腹がすくと機嫌が悪くなるのでおやつや飲み物を準備しておくなどです。近くで見守りながら、徐々に遊びのルールを教えていきましょう。
ベネッセ教育情報サイト
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