「瞳が大きく見える」などの理由で10~20代女性に人気のカラーコンタクトレンズ(カラコン)で眼障害のトラブルが多発している。不適切な使用でトラブルとなるケースが多く、日本コンタクトレンズ学会は購入時に眼科医の診察を受け、使用方法を守るよう呼び掛けている。(平沢裕子)
8割が受診せず
カラコンは、黒目を大きく見せたり、瞳の色を変えたりすることができるコンタクトレンズ(CL)で、若者に人気のタレントやモデルの利用者も多い。日本で販売されているのはソフトレンズだけで、装用感は良いが、汚れが付きやすく、細菌やアメーバなどの微生物に汚染されやすい。
日本コンタクトレンズ学会常任理事でウエダ眼科(山口県下関市)の植田喜一院長は「CLが原因で重篤な眼疾患となる症例のほとんどがソフトレンズ。カラコン利用者の多くは購入前に眼科を受診せず、不適切な使用で眼疾患を起こしているケースがほとんど」。
同学会が会員の眼科医1105人を対象に行った調査では、昨年7~9月にカラコンで目に障害を負ったのは395人。多くは軽症だが、視力障害が残る可能性があった人が2・8%。8割が購入前に眼科を受診していなかった。
カラコンは平成21年、「高度管理医療機器」として薬事法の規制対象となった。販売業者は都道府県知事の許可を受ける必要があり、店舗に管理者を置き、危険性の説明が義務付けられている。ただ、購入に処方箋はいらず、インターネットや一部の店舗では洋服を買うのと同じように購入できる。
植田院長は「規制で粗悪な製品がなくなり、カラコンによる眼障害が激減すると期待していた。しかし、この数年で利用者が急増、眼障害は逆に増えている印象だ」と指摘する。
低い酸素透過性
眼障害の原因の一つに酸素透過性の低い材質が使われていることがある。角膜の健康には酸素が必要で、酸素透過性の低いレンズを長時間装用すると角膜にびらんを生じたり、角膜周辺部に新生血管ができたりする。使い捨てを繰り返し使ったり、友人同士で使い回したりするなどのずさんな使い方のケースもあった。
植田院長は「眼障害の程度によって、視機能に障害が残ったり、失明したりする可能性もある。購入時は必ず眼科医の診察を受け、装用方法・サイクルを守って使うこと」と注意を呼び掛けている。
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