仕事でもプライベートでも、幸せは「足し算」ではなく「引き算」から生まれることが多いものです。例えば、次のような行動をやめたらどうなるか…想像してみてください。
1.責める
人は間違うものです。部下が期待に応えてくれない、業者が時間どおりに商品を届けてくれない ─── そんな時は相手を責めがちですが、まずは自分にも問題がなかったかどうか、改めて考えてみてください。指導が充分でなかったかもしれないし、バックアップ体制が不充分だったかもしれません。もしくは、短期間に多くを望みすぎませんでしたか?
ものごとがうまくいかなかった時に、周囲を責めることなく自分の責任と考えるのは、決して自虐的な行動ではなく、むしろ自分のためになります。次からはもっとうまくやろうと気をつけるきっかけになるからです。うまくできるようになれば、それだけ幸せになれますよね。
2.好印象を与えようとする
相手は、あなたの服装や車、地位や肩書きや業績に惹かれるわけではありません。そんなのは、しょせん「お飾り」です。表面的な部分を気に入ってくれた相手が「あなた自身」を好きになってくれるとは限りません ─── もちろん表向きには、そのように振る舞ってくれるでしょうが…。
「表面的」というのは、言い換えれば、実質に基づかないということです。実質に基づかない人間関係など、本物とは言えません。真の人間関係は幸せをもたらしてくれます。そして真の人間関係を築くには、好印象を与えようとするのではなく、ありのままの自分でいなくてはなりません。
3.執着する
不安で不確かな時は、自分が「知っていること」に強くこだわりがちです。その「知っていること」が自分にとって特に良いものでなくてもです。そのようにこだわれば、不安や不確かさは解消されるかもしれませんが、それで幸せになるかというと、そうではありません。それは単に、「不安や不確かさが解消された状態」でしかありません。
つまり、執着は幸せにはつながりません。こだわりを捨てて、自分の望みを叶えようと手を伸ばすその努力こそが、幸せをもたらしてくれます。そして、望みが叶えられなかったとしても、努力したという事実は、それだけで自己肯定感につながります。
4.人の話をさえぎる
人の話をさえぎるのはマナー違反ですが、問題はそれだけではありません。人の話をさえぎる行為は、周囲の人に対してこんな風に主張するのと同じことなのです。「俺がお前の話を聞くのは、お前の言いたいことを理解するためじゃない。自分の言いたいことをはっきりさせるために、お前の話を聞いているだけだ」。
周囲の人とうまくやっていきたいですよね? それなら、相手の話を聞きましょう。注意深く話を聞いてから、相手に質問をして、相手の真意が理解できているか確認しましょう。それだけで周囲から好感を持ってもらえます。そうなれば、自分も悪い気はしないはずですよ。
5.愚痴を言う
言葉には力があります。あなたの言葉は、特にあなた自身に影響します。自分の悩みごとについて愚痴を言っても、気分が落ち込むばかりで、良くなることはありません。
何か問題があるなら、不満を口にしている場合ではありません。その元気があるなら、状況の改善に向けて努力しましょう。一生、同じ愚痴を言い続けるつもりがないのなら、いずれは状況の改善に向けて動き出さなくてはいけないわけです。だったらモタモタせず、今すぐ対応しましょう。
「どこがダメか」を話しても仕方ありません。「どうしたら改善できるか」を話しましょう。話し相手がいないのなら、自問自答でも構いません。
一方で、友達や同僚が愚痴っぽくなっている時は、話を聞いてあげましょう。ただし、泣き言のはけ口になってはダメ。友達たるもの、友達に愚痴を言わせてはいけません。友達が前向きに生きられるように手助けをしましょう。
6.支配する
役職者? 業界のドン? それとも、新人ながら誰もが一目置く切れ者?? あなたがどんな実力者であったとしても、本当の意味で支配できるのは自分自身だけです。ほかの人を支配しようと躍起になるのは、自分という存在や、自分の夢・目標・意見などが、ほかの人のそれよりも重要だと決めつけているためです。
ほかの人を支配するのは、うまくいったとしても短期間のことです。支配には多くの場合、権力や不安、権威など、何らかのプレッシャーが必要ですが、それらは自分自身の居心地も悪くします。
ほかの人を支配しようとするのではなく、自分と同じ方向性の仲間を見つけましょう。そのほうが一生懸命やってもらえるし、楽しみながら、公私の枠を超えた人間関係を築いていけます。関わった誰にとっても、そのほうが幸せでしょう。
7.批判する
「自分のほうが学歴が上」「経験が豊富」…そうかもしれませんね。きっとあなたのほうがずっと先をいっていて、いろんな山を制覇していて、ドラゴンだって何匹もしとめてきたのでしょう。だからといって、あなたのほうが頭が良くて優秀で知見に富んでいるということにはなりません。
そうした経歴は、あなたを「あなた」という、唯一無二で比類のない存在へと形成してきましたが、それだけです。そして、唯一無二で比類のない存在なのは、あなただけではありません。ほかの誰だって、つまりあなたの部下たちだって、同じことです。
私たちは皆、違っています。良いとか悪いとかではなく、違っているのです。欠点をあげつらうのではなく、「みんなちがって、みんないい」の精神で接すれば、周囲の人や自分自身について、より良い見方ができるようになります。
8.説教する
「批判」とよく似た兄弟として「説教」が挙げられます。両方とも、「審判」という父親の息子です。高くまでのぼりつめ、多くのことを達成した人は、自分が何でも知っていると思いがちです。そして周囲の人に、自分が知っていると思っていることを何でも教えようとします。
偉そうに説教してくる人には、まわりの人は心から耳を傾けなくなります。それはとても悲しいことであり、幸せにつながりません。
9.過去を引きずる
過去は大切です。自分の過ちや、周囲の人の過ちから学ぶべきことはたくさんあります。でも、学ぶべきことを学んだら、それで終わりにしましょう。「言うは易く行うは難し」と思うでしょうが、重点をどこに置くか次第です。
何か悪いことが自分の身に起こったら、知らなかったことを学ぶチャンスだと思いましょう。ほかの人が間違いをしたら、優しくし、許し、理解するチャンスだと思いましょう。
過去は練習期間だったと思えばいいのです。それは、現在のあなたを規定するものではありません。過去にうまくいかなかったことについて考えるのも良いですが、その場合、次は確実に成功させるつもりで「そのためには自分や周囲の人がどうすればいいか」という問題意識を持ちましょう。
10.怖じ気づく
誰だって不安です。何が起こるか、あるいは何が起こらないか。私たちには変えられないものが怖いし、私たちに成し遂げられないことも怖いし、ほかの人がどう思うかも怖いのです。だから、ともすれば躊躇して、最適なタイミングを待とうとしたり、もっと考える時間がほしいと思ったり、下調べや、ほかの可能性の追求に時間を割こうとしがちです。
けれども、その間にも日々は過ぎ去っていきます。数週間、数カ月、数年ですら、あっという間に過ぎていきます。夢だって、私たちの手の中をすり抜けていきます。不安に怖じ気づいている場合ではありません。計画してきたこと、想像してきたこと、夢見てきたことが何であれ、それを今日からはじめましょう。
起業したいなら、最初の一歩を今日踏み出しましょう。転職したいなら、事業を拡大したいなら、新規市場に参入したいなら、新製品やサービスを投入したいなら…何であれ、最初の一歩を今日踏み出しましょう。不安は脇に置いておいて、はじめるのです。何でも良いから取りかかるのです。でないと、今日は終わってしまいます。明日がきた時には、今日はもう永遠に取り戻せないのです。
「今日」は、あなたの持っている中でもっとも貴重な資産です。あなたが不安に思わなくてはならないことがあるとすれば、それは「今日」をムダづかいすることです。
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/life/living/lifehacker_30608.html