同じ内容なのに、伝え方で「イエス」になったり「ノー」になったり。いくつかのコツを知っているだけで誰もが、「イエス」をもらう可能性を上げることができます。学校で教わることがなかった「伝える」ということを、はたして鍛えることができるのか?それを著者が語っています。
なぜ、伝え方で結果が変わるのか?
例えば、勉強嫌いの子どもに勉強させるとき、どう言ったらいいでしょう?
子どもを持つすべてのお父さんお母さんに耳寄りな方法です。「勉強しなさい」と言っても、子どもは勉強しないですよね。子どもは素直です。やりたくないことは、やらない。それで頭を悩ませているご両親も多いことでしょう。それなら、やりたいと思わせるよう伝えればいいのです。子どもが勉強をしてしまう、魔法のコトバがあります。
「いっしょに勉強しよう」
です。これは「チームワーク化」を使ったお願いのしかたです。それまで勉強しなさいと言っても、そうは勉強をしなかった子ども。自分の部屋に行ったとしても、マンガを読んでいるかもしれません。実際、私の友人も子どもが勉強しなくて困っていました。何度、
「勉強しなさい」
と言っても、いっこうに改善する気配がなかったのです。それが、
「いっしょに勉強しよう」
と言い、居間で子どもが勉強している間、じぶんは好きな本を読むようにしたら、子どもが隣で黙々と勉強をするようになりました。人は本能的に、誰かといっしょに何かをやりたいのです。それは太古の時代から人間が生き延びてきた知恵です。誰かが狩りをするときは、協力していっしょに行い、木の実を集めるときも、外敵に襲われないよういっしょに行った。その記憶が私たちの奥底にあるのです。
ただ、これは自分も動くことが前提です。動くといっても、子どもといっしょに同じ机で真剣に何か好きなことをすればいいのです。
大切だとわかっているのに、 誰も鍛えていない「伝え方」
そもそも、伝え方というのは、鍛えることができるのでしょうか?
学校でも教えてもらったことはないですし、参考書もありません。一方で、明らかに伝え方がうまい人とへたな人がいるのは事実です。友達にも、伝え方がうまい人と、そうではない人、いますよね?うまい人はどこかで学んだわけでもありません。生きてきた環境により、長い間の経験として身についたのです。経験から身についてきたということが周知のことであるがゆえに、伝え方を「学べる」もしくは「鍛えられる」という発想は世の中にほとんどないのが事実。伝え方は経験やセンスによるもので、手応えを持って身につけることができないものとされてきました。
あらためて。伝え方というのは、鍛えることができるのでしょうか?
その質問に、私は胸を張って「イエス」と答えます。自分自身ができたという実体験からと、大学で行っている社会人講座にて受講されている方々が、驚くほどの変化をすることを目の当たりにしているからです。
人生の重要なシーンで成否をわけることなのに、誰も鍛えていない。もしくは「伝え方は鍛えられる」ことさえも知らない。一方で気づいた方にはとんでもなく大きなチャンスです。
伝え方を手に入れると、人生の決めどころでスマッシュを打てる
その状態は、温泉のピンポンに似ています。仲間で温泉に行き、そこに台があればなんとなく触ってみるもの。誰でもピンポンはできますよね。
たいていそこに一人は経験者がいて、にわかに人気者になったりするものです。うまい方とそれ以外の方で何が違うかというと、コツを知っているかいないかが大きいです。「ラケットはぎゅっと握らず、リラックスしながらも鋭く振り抜く」「打つ方向を見るのではなく、打つ瞬間までボールを見る」。その2点を知るだけで、今この場で球筋がガラリと変わります。学ぶ人も珍しいと思いますが、3日間も学べば別人になります。
伝え方も同じなのです。誰でも話すこと/書くことはできます。でも、コツを知っているかどうかで勢いも、美しさも、別モノになります。
世の中大勢の伝え方は、温泉でお気軽ピンポンをやっているレベルです。つながるし、一応ピンポンにはなっている。その状態をチャンスととらえ、あなたがコツを身につけることで、温泉のピンポンとは明らかに一線を画すことができます。周りの見る目も、評価も変わります。もちろん誰でもまぐれ当たりで、1球だけ凄いスマッシュを決めることもできます。ですがこの本のめざすところは、狙って、毎回打てる人になることです。人生の決めどころで、狙ってスマッシュを打てるようになる。しかもそれは、現実にできることなのです。今こそ学ぶチャンスです。他の人はまだそこに気づいていません。
どんな資格より、
まず伝え方を学べ
──就職でも、昇進でも、あなたを最後まで守ってくれるのは、伝え方
同じ大学卒業で、同じ勉強をしてきた人なのに、就職試験で受かる人と落ちる人がいるのは、なぜでしょう?同じだけ学費を払い、同じだけ教室にいたのに。その理由は、明快です。その本人をどう伝えたかの違いです。
資格を取得する方がふえたとも聞きます。資格は確かに、目に見える武器として役立つものです。私も資格を持っていますし、その恩恵も受けてきました。ですが、それが全てとは思わないでほしいのです。数々の資格を持っているのに、なぜ就職が決まらない人がいるのか?昇進しない人がいるのか?それは、資格以上に、会社にとって大事に思う何かがあったということです。思わず人は目に見える資格ばかりを磨きたがりますが、私からすれば、それは10%でしかありません。のこりの90%は、あなた自身を魅力的に伝えられる、伝え方やコトバです。
それは、見せかけることとは違います。伝え方やコトバの技術を持っている人は、働いても成果を出せるのです。そのことを忘れないでください。
人は目に見えるものばかり手をつけたがるから、どうしても資格にばかり気がいってしまうのはわかります。ですが、どちらかというと、伝え方のほうこそ差がつくのです。
しかも、資格は多くの人がそれなりに持っているのに対して、伝え方は学んだことがない人がほとんど。勝負はほぼ伝え方やコトバで決まると思っていいでしょう。
佐々木圭一氏による刊行記念・著者セミナーのご案内
時 刻 : 19時開演(18時30分開場) 20時30分終了予定
会 場 : 東京 ダイヤモンド社 本社ビル9階セミナールーム
住 所 : 東京都渋谷区神宮前6-12-17
料 金 : 入場無料(事前登録制)
定 員 : 60名(先着順)
主 催 : ダイヤモンド社
お問い合わせ先: ダイヤモンド社書籍編集局
TEL : 03-5778-7294(担当中島)
E-mail:nakajima@diamond.co.jp
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】
◆佐々木圭一『伝え方が9割』
入社当時ダメダメ社員だった著者が、なぜヒット連発のコピーライターになれたのか。本書には、心を揺さぶる「伝え方の技術」が書かれてある。膨大な量の名作のコトバを研究し、「共通のルールがある」「感動的な言葉は、つくることができる」ことを確信。この本で学べば、あなたの言葉が一瞬で強くなり人生が変わる。
http://diamond.jp/articles/-/33751