総務省消防庁は25日、救急搬送の患者が、受け入れ先の病院が見つからずたらい回しにされる問題で、全国の消防本部に医療機関との連携のあり方などの改善を促す緊急通知を、週内に出す方針を固めた。全救急車にタブレット端末「iPad」を配備し、搬送時間を短縮できた佐賀県の例などを挙げ、都道府県ごとに定められている対応基準を見直すよう促す。
患者の救急搬送をめぐっては、高齢者が増えて需要が増す一方、夜間搬送時にすでにベッドが満床だったり、対応する専門医が不在だったりして病院をたらい回しになるケースが頻発している。
今年1月には、埼玉県久喜市で1人暮らしの男性が体調不良で救急車を呼びながら25の病院に受け入れを断られ死亡。このケースが今回の措置に踏み切るきっかけとなった。
消防庁によると、救急医療機関が重症患者の受け入れを4回以上拒否したケースは平成23年で1万1649件。20回以上拒否されたケースも61件あった。
救急搬送時の対応基準は21年の改正消防法施行に伴い、都道府県ごとに自主的に設けることが定められた。ただその後、基準を当時のまま見直していない自治体も少なくない。
通知では、同庁の「救急業務のあり方をめぐる有識者検討会」が26日にまとめる報告書に目を通すよう求め、基準見直しの参考にしてもらう考えだ。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130326/trd13032607190001-n1.htm