ストレス社会といわれる昨今。それにさらされているのは、大人だけでない。増加する子どもの心身症、その原因は何だろうか? 小児科医の山根知英子先生に伺った。
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人間の体は不快な刺激(ストレス)を受けると、さまざまな反応が起こります。たとえば極度に緊張すると血圧が上がったり、心臓がバクバクしたり……。心と体は互いに深く影響し合っています。このように心理社会的な問題(ストレス)が元になって、体に不調が現れることもあります。代表的な症状としては腹痛・下痢・頭痛・嘔吐(おうと)など。このような身体的疾患を「心身症」と言います。
たとえば、子どもの心身症の原因となりがちなストレスには、「親子関係」「両親の不仲」「きょうだい間の葛藤」「いじめ」「勉強、テスト」「先生、友人関係」「部活」などがありますが、「よい子」を演じてしまう過剰適応の子どもが、突然挫折を経験することで、心身症を発症するケースもあります。
子どもが心身症と診断されると「そんなことは気の持ちよう」「心が弱いせいだ」「がまんが足りない」と受け取る保護者もいるかもしれません。でも、子どもはストレスを自分の中で処理しきれずに不調を訴えているのです。家庭では、子どもがつらい気持ちを吐露できるような雰囲気をつくってあげることが大切です。すぐにストレスの原因を追究したり解決したりしようとせず、まずは子どものつらさを受け止めて。保護者はあせらず、子どもが心を開くまでゆっくり話を聞いてあげながら、気長に待ちましょう。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/medical/benesse-6760.html