[ カテゴリー:環境, 生活 ]

黄砂、花粉、PM2・5の「三重苦」 対策は?

大気汚染が深刻な中国から飛来したとみられる微小粒子状物質(PM2・5)の濃度が、鳥取県内でも環境省の専門家会合がまとめた暫定指針(1立方メートルあたり1日平均70マイクロ・グラム以上)に近い値を観測している。

この時期、黄砂や花粉の季節が重なっており、PM2・5が飛来することで「三重苦」とも言われている。黄砂が人体に及ぼす影響を研究している鳥取大医学部の大西一成助教(公衆衛生学)に対策などを聞いた。

――PM2・5の飛来が問題になっています。

PM2・5とは、大きさが2・5マイクロ・メートル以下の微小粒子状物質の総称で、ばい煙や車の排ガスなど大気汚染物質のほか、花粉の抗原や黄砂なども含まれます。健康に影響するのはPM2・5など汚染由来成分や黄砂など土壌由来、花粉など生物由来のものがあります。PM2・5の値が上昇しているのは、中国の大気汚染の影響だけではなく、県内の排ガスなどや、最近は黄砂も含んでいるからです。

――人体に影響が出るのはどうしてですか?

体内に異物が入ったり、触れたりすると、異物を排除しようと反応が起こり、せきや涙、目の充血、鼻水、くしゃみ、肌のかゆみなどの症状が出ます。花粉などではすぐに症状が出ますが、黄砂など飛んで来てから2~4日後に反応する場合もあります。60歳を過ぎて発症する人もいるので、今は症状がなくても大丈夫とは言えないと思います。

――症状は個人差があるようですね。

一般的に既往症がある方は重症化する恐れがあるので、注意が必要と言われています。ぜんそくがひどくなり、呼吸困難に陥ることも考えられますが、マスクなどで重症化を抑えられます。普段は健康でも、くしゃみやせきなどの自覚症状やアレルギー反応が起きる場合もあります。健康に影響を及ぼすものはPM2・5だけではありませんが、観測データが公表されているので、花粉や黄砂でも、どの程度の値で症状が出るか、自分の目安を知れば、予防に生かせる場合もあります。

――対策はありますか?

黄砂などに直接さらされる状態を避けることです。何がいつどこに飛来するか予測し、マスクやうがい、手洗いのほか、家庭内では空気清浄機を活用し、被害を最小限にするのが大切です。マスクの間に軽く湿らせたガーゼを入れたり、静電気で付着しやすい毛羽立った服ではなく、花粉などを落としやすい表面がつるつるした素材のものを着たりするのも有効です。

――黄砂の発生源から調査し、健康への影響を調べておられますね。

モンゴルなどにも調査に行き、発生源の状況を知ることで、具体的な影響を考えられるようになりました。今も毎日、米航空宇宙局(NASA)などが発表する衛星写真を基にして、研究に生かしています。黄砂の研究は環境と医学の融合で、将来は黄砂予報を出せるようになれたらと思っています。(加藤あかね)

◇メモ 鳥取市出身。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科でアレルギー・免疫学、細胞生理学の研究を経て、鳥取大医学部大学院医学系研究科で2008年から、黄砂の健康影響調査を本格的に始める。10年から同大学助教。子どもの頃からアレルギー性鼻炎で「空気にもやがかかった日に風邪にかかる」という体験をしたのが、黄砂研究を始めたきっかけになった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130315-00010000-yomidr-hlth

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