東日本大震災は11日、発生から2年となり、日本列島は祈りの日を迎えた。死者約1万6千人に上った戦後最悪の自然災害だが、いまだに約2700人の行方が分からず、捜索活動が続く。がれきの処理が半分終わり明るい兆しは見えるものの、東京電力福島第1原発事故による影響も続き、31万人以上が避難生活を余儀なくされている。
不明者、490人減
警察庁のまとめによると、震災で亡くなった人は8日現在、1万5881人、行方不明者は2668人。昨年3月から今年2月末までに、死者の身元が確認できたのは岩手、宮城、福島の3県で計348人になったほか、不明者は1年で約490人減少した。
警察によるDNA型鑑定や似顔絵作成が、身元確認に効果を上げている。だが、死者のうち132人は身元確認もできていない。
警察は月命日を中心に海岸などで捜索を続けているが、同庁は「捜索による発見は昨年4月以降なく、活動は困難を極めている」と無念さをにじます。
■まだ31万人避難
復興庁によると、2月現在、全国に避難している人は31万5196人。全国1216市区町村に散らばっている。前年3月(34万4290人)と比べて、2万9094人の減少にすぎない。
復興住宅(災害公営住宅)の建設が進まないことや、原発事故の影響で福島では帰還が困難になっていることが要因とみられる。
自県以外に避難している人の数は、福島が5万7135人と突出しており、宮城7981人、岩手1627人と続く。
入居している仮設住宅は4万8027戸あり、民間住宅を借り上げた「みなし仮設」は4日現在、5万9943戸。国は仮設住宅の入居期限を特例で2年から4年へ延長する見込みだ。
住まいを確保できない人に対する災害公営住宅は2万4千戸以上が必要だが、3月末時点で供給可能なのは250戸程度にとどまっている。
■がれき46%処理
環境省によると、震災で発生したがれきなどの災害廃棄物は、岩手、宮城、福島の3県で1628万トンと推計される。1月末時点で46%に当たる754万トンの処理を終えた。県別では、宮城51%(563万トン)、岩手39%(142万トン)、福島31%(49万トン)の進捗(しんちょく)率。
被災地以外の自治体で処理を代行する広域処理は、岩手、宮城両県が要請する69万トンの大半で受け入れ先のめどがついた。環境省は「来年3月末までの処理完了目標は達成できる」と胸を張る。
■大きな揺れ警戒
気象庁によると、余震は震災から1年まではマグニチュード(M)4以上が5千回以上、震度1以上が8千回近くあったが、この1年間は各780回、1600回程度に減少した。
だが昨年8月に宮城沖を震源に最大震度5強を観測したほか、12月7日には三陸沖の揺れで同5弱、宮城県石巻市で最大98センチの津波となるなど、大きな余震は続く。気象庁は「まれに大きな余震や津波が発生することがあり、引き続き警戒を」としている。
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政府は11日午後2時半から、東京都千代田区の国立劇場で天皇、皇后両陛下ご臨席の下、震災2周年追悼式を開く。同所での一般献花は午後4時半~6時まで。
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