Peter Sims氏はアメリカ人起業家で、ビジネス関連書籍のベストセラー作家でもあります。代表的な著作「Little Bets: How Breakthrough Ideas Emerge from Small Discoveries」は米誌「Wall Street Journal」より「起業家が読むべき6冊のビジネス書」に選ばれました。また企業向けの講演も多数行っています。今回は、そんなSims氏より自身の経験を踏まえたスピーチの極意を教えてもらいました。
私は職業柄、スピーチのアドバイスをよく求められます。人前で話をするのは多くの人にとって怖いことです。私の経験から言うと、生まれもってスピーチのスキルを持っている人はいません。私自身も、今でこそ毎週のように講演する機会がありますが、数年前まで想像もできませんでした。今の自分があるのは、多くの困難や、経験、周囲からの厳しい指摘があったからなのです。
世界的に有名なアニメーションスタジオ「ピクサー」の現社長Ed Catmull氏は、同社の創作プロセスを「最悪の状態から改善していくこと」と述べています。つまり、失敗を未然に防ぐより、失敗してから修正したほうが結果的に良い作品ができるのです。これは、Catmull氏が30年以上かけて導き出した教訓でもあります。
私がこれまでもらったアドバイスの中で最も有益だったのは、前ニューヨーク州知事Mario Cuomo氏からのアドバイスでした。まだ学生だった頃、Cuomo知事が私の大学を訪れた際に、送迎を担当することになりました。車内で直接会話ができたので、「スピーチのスキルを高めるにはどうしたらいいですか?」と質問しました。
知事は快く自身の経験を話してくれました。彼はロースクール時代にスピーチを始めたものの、当初はひどかったそうです。その後、経験を重ねて2点のコツをつかみました。1つ目は「自分が信じていることを情熱的に話すこと」、2つ目は「スピーチのテーマを徹底的に知り尽くしておくこと」です。私はここにもう1点、「聴衆を知ること」を追加したいと思います。
Daniel PinkやMalcolm Gladwellのような「一流の話し手」と呼ばれる人でも、最初から上手ではなかったと聞きます。私も例外ではありません。最初の講演会は本当に最悪でした。終了後に私のマネジャーが受け取ったメールを転載します(名前は変えてあります)。
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/life/living/lifehacker_29824.html