地中海料理が心臓に好影響
南欧沿岸部で共通して見られる料理、特に多くのオリーブオイルとナッツを使った料理は、脳卒中や主要な心血管疾患のリスクを30%も低下させることが新研究で明らかになった。
地中海料理―果物や野菜、魚、豆を多く使っている―と心臓の健康を結び付ける研究は多いが、25日に米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に発表された報告は、その調査規模―スペインで約5年間、7447人を追跡調査―と科学的厳格さの両面で重要だ。これまでの研究では、食事と脳卒中など生命に関わる事象との直接的関連性を示すのに成功したものはほとんどなく、代わりに体重減少や血圧、コレステロールなどある種の心血管リスク要因への食事の影響を評価しているだけだ。
クリーブランド・クリニックのスティーブン・ニッセン心血管部長は、この研究は「非常に重要だ」と述べた。ニッセン氏は研究に参加していない。同氏は、食事の病気予防効果はコレステロールを減らす薬スタチンを服用するのと同じ程度で、研究では、主要な心血管事象のリスクを約25-30%低下させたと指摘した。その上で、「われわれは、この非常に口当たりがいい地中海料理は最もヘルシーだと患者に言うことができる。私も自分の食事を変えて、これまでよりも多くのオリーブオイルとナッツを食べようと思う」と話した。
調査対象者は調査に参加した時には55-80歳で、心血管の病気はなかったが、糖尿病、喫煙、高血圧、異常なコレステロール値などがあり、また、心臓の問題や肥満の家族歴があって、心血管疾患になるリスクは高かった。多くの人はそれぞれのリスク要因の治療を受けており、ほぼ半数が降圧剤を飲み、40%以上の人がスタチンを飲んでいた。
http://news.goo.ne.jp/article/wsj/life/wsj-20130226-01.html