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ドキュメンタリー映画:ビキニ水爆実験、船員被ばく実態知って 来月4日から新潟「シネ・ウインド」で「X年後」上映 /新潟

1954年にビキニ環礁で実施された米国の水爆実験で、日本の遠洋マグロ漁船で船員が被ばくした「第五福竜丸事件」。実際は、米国の度重なる実験で第五福竜丸以外の多くの日本漁船が被ばくしていた。漁船の元乗組員や遺族らの証言から、埋もれてきたその史実に迫った地方テレビ局発のドキュメンタリー映画「放射線を浴びた『X年後』」(12年・83分)が3月4日から、新潟市中央区の「シネ・ウインド」で上映される。約8年間取材を続け、監督も務めた南海放送(愛媛県)の伊東英朗さん(52)は「被ばく実態の検証や、被害者救済につながってほしい」と話す。

伊東さんは2004年、取材テーマをインターネットで探していたところ、ビキニ環礁での水爆実験による日本人の被ばく者が数多くいるとの情報を得た。「最初は信じられなかった」。学生時代から原爆問題に興味を持っていた伊東さん。被ばくしたとみられる漁船の多くが高知船籍だったことから、被ばくの聞き取り調査をしている高知県の元高校教諭に会い、当時、実際に多くの漁船が付近を通り、被ばくしていたと聞いた。
「半世紀も前の話だけど、苦しんで、つらい思いをして死んだ人を放っておけない」。休日や仕事の合間に元高校教諭のつてなどで高知に通い、元乗組員や遺族、放射線の研究者らに取材した。
粘り強い取材で、若くしてがんで亡くなった乗組員が多いこと▽慰謝料が乗組員に分配されなかったこと▽マグロの放射能検査が突然、実施されなくなったこと--などほとんど知られていなかった事実を次々と明らかにした。
伊東さんの取り組みは民放で全国放送されたこともあったが、反応の少なさにくじけそうにもなったという。
しかし、皮肉にも福島第1原発事故後、一気に反応が変わり、映画化につながった。「ビキニでの教訓が国民に伝わっていれば、福島事故の時、風下に逃げる人は少なかったはず。残念でならない」と話す。福島の事故に潜むさまざまな「事実」が60年前と同じように消されてはいないだろうかとも危惧する。
元乗組員は全国にいるとみられ、伊東さんは現在、各地で証言を集めてくれる協力者を求めている。実際、上映をきっかけに東京で乗組員の証言集めへの協力を名乗り出た団体も現れたという。
「ビキニの実験では米国本土も被ばくし、米国人も被害者になった。核は抑止力だというが、結局は自分たち滅ぼすもの」と語り、温和な表情が曇った。
上映は3月15日まで。当日・前売り券あり。問い合わせはシネ・ウインド(025・243・5530)。
2月18日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130218-00000008-mailo-l15

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