重い障害が残ることもある細菌性髄膜炎を引き起こす恐れがあるヒブ感染症や肺炎球菌など子供向けの3種のワクチンが4月から、原則無料の定期接種化される見通しとなった。厚生労働省は予防接種法改正案を今国会に提出する予定だが、これまで接種が有料だった地域では、4月の無料化を待って2、3月は「接種控え」をする動きが表面化しており、小児科医などが注意を呼びかけている。
来年度から自治体の定期予防接種に加えられるのは、髄膜炎を引き起こすヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンと中学生などが対象の子宮頸(けい)がんワクチンの3種。いずれも平成22年から公的接種が行われてきたが、自治体の助成に差があり、無料で受けられる自治体とそうでない自治体があった。来年度からは、定められた期間内に受ければ原則無料の定期接種になるため、現在は有料の地域で接種時期を先延ばしにする動きが出ているという。
例えば、東京都中野区では現在、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの助成はそれぞれ3千円。同時接種した場合、計1万円以上が保護者負担となる。同区の三輪小児科医院の三輪操(みさお)子(こ)院長は「3ワクチンが定期接種になる方向性が決まったとたん、それまで1日十数本出ていたワクチンが全く出なくなった」と話す。
ヒブ、肺炎球菌の接種は一般的に生後2カ月、3カ月、4カ月、1歳の計4回で、1回では抗体が十分でないため、スケジュール通りの接種が必要という。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130217/bdy13021720440000-n1.htm