県高齢福祉保健課は11年度の県内の高齢者虐待が、06年度に統計を取り始めてから最多の624件に上ったと発表した。介護施設の従業員による虐待は認められなかったが、自宅などで、息子や夫による虐待が比較的多く発生している傾向がみられた。
県は65歳以上の高齢者が、介護施設の従業員や家族など養護者から虐待を受けていないか調べている。
調査によると、虐待を受けた人の約8割が女性。被害女性が受けた虐待の種類(複数回答)は、たたく、つねるなどの「身体的虐待」が66・2%▽子どものように接したりするなどの「心理的虐待」が43・1%▽食事を与えない、入浴させないなどの「介護や世話の放棄」が22・1%▽必要な金銭を渡さない、年金や預貯金を勝手に使うなどの「経済的虐待」が17・1%だった。
虐待をした人は、息子が43・2%と目立って高く、次いで夫が16・4%▽息子の配偶者が11・7%だった。
同課は「問題が周知されてきたことで被害の報告が増えたことや、不安定な社会情勢が、虐待が増えた理由かもしれない」と話す。
被害を減らすために民生委員や警察などと連携した情報共有や、社会福祉士による相談を積極的に進める。
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