NHN Japanは1月18日、スマートフォン向け無料通話&メッセージソフト「LINE」の登録ユーザー数が1億人を突破したと発表した。同社の森川亮社長は、「ネットの歴史に残るような目覚ましい成長」と評価しつつも、「1億達成は単なる通過点に過ぎない」と引き締め、今年は欧米や中国に積極展開していくことを明らかにした。
同日午後、東京・渋谷の商業ビル「ヒカリエ」内の同社オフィスで1億ユーザー達成カウントダウンイベントを開催。多くの社員や報道関係者が集まり、1億ユーザー達成を祝った。
LINEは2011年6月、メッセージング機能単体のサービスとして公開。同10月に音声通話やスタンプなど大幅な機能追加を行い、中東や東アジアで利用者が拡大した。2012年以降はロシア周辺諸国やスペイン、チリ、メキシコなどスペイン語圏まで利用が拡大。現在では1週間に約300万人が新規登録しているという。
サービス開始から19カ月で1億ユーザーを達成。達成に要した期間は、Twitterの約49カ月、Facebookの約54カ月より早い。ユーザーのアクティブ率も高く、昨年12月末時点での月間アクティブ率は80.3%に上るという。LINEのアカウントと連携したゲームサービス「LINE GAME」も人気。パズルゲーム「LINE」など12タイトルを展開し、累計ダウンロード数は7000万件を突破している。
●欧米に「攻撃的にチャレンジ」 「想像もしなかった大きな変化」も
森川社長は1億達成を祝い、イベントに集まった現場の社員を「おめでとうございます」とねぎらいつつも、「世界挑戦の切符を手に入れた状況だ。これからますます競争が厳しくなると思う。グローバルサービスと戦うためには速いスピードで質の高いサービスを、常に新しい価値を提供するのが大事だ」と引き締める。
今年はグローバル展開をさらに強化し、TwitterやFacebook並みの浸透を目指す。すでに多くのユーザーを獲得している東南アジアに加え、欧米や中国でも普及を狙い、積極的にプロモーションを展開する。
「昨年は韓国、台湾、タイ、香港、ベトナム、中国に拠点を作った。最近アメリカにも拠点を作った。これまで北米、ヨーロッパはある程度伸びたところを中心に育てていたが、今年はかなり攻撃的にチャレンジし、積極的に攻めていこうと考えている。本当の意味でのグローバルサービスに育てられるか、今年が勝負」
LINE連携ゲームサービスや関連アプリなど周辺サービスの拡充も加速する方針で、「さまざまなサービスをLINEをゲートウェイとして展開していきたい。今までのインターネットに出てきた新しいサービスをLINEにひも付け、スピードとクオリティで新しい価値を提供したい」と話す。
さらに「みなさんが想像もしていなかったような大きな変化が今年あると思う」とも。具体的な内容は明らかにしなかったが、「生き残るのは、最も強いものでも賢いものでもなく、変化に対応できるものである」というダーウィンの言葉を引き合いに、「変化を楽しみ、僕たちの強みにして大きく成長していきたい」と話した。
●「奇跡のチームだ」
同社でLINE事業を統括する舛田淳執行役員は、「一昨年の年末の戦略発表会で1億ユーザーを目指すと言った時は、誰もできるとは思っていなかったと思う」と振り返り、「企画、開発、UI、インフラ、ビジネス開発、法務、セキュリティ、総務……全部が一丸となってやりとげることができた。こんなチームは世界中を探してもいない、奇跡のチームだ」と現場を賞賛した。
現場の社員も6人ほどがあいさつに立ち、1億達成の喜びと今後の展望を述べた。LINEの企画を担当した稲垣あゆみさんは、「企画を始めたころは、1億ユーザーを達成するとは本当に思っていなかった。これから世界で競争がますます激しくなると思うが、頑張りたい」と話していた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130118-00000067-zdn_n-sci