新春恒例の「歌会始」が、16日皇居で行われ、津南町から選ばれた男性2人の短歌も詠み上げられました。
ことしの「歌会始」のお題は「立」で、全国と海外からあわせて1万8000首近くの短歌が寄せられました。
皇居・宮殿の「松の間」では、天皇皇后両陛下や皇族方の前で入選した10人の短歌が詠み上げられ、新潟県から入選した津南町の2人の歌も古式にのっとって披露されました。
このうち高橋健治さん(65歳)は、脳卒中で倒れて後遺症が残り落ち込んだ際に、以前、旅行で訪れた青森県の竜飛岬で強い海風に吹かれ、力をもらえたような気がしたという思い出を、「吹く風に向へば力得るやうな竜飛岬の海風に立つ」と詠みました。
▽同じく津南町の宮澤房良さん(69歳)は、豪雪地帯に住み、冬の間に何度も屋根の雪下ろしをしなければならない苦労を、「何度目の雪下しかと訊ねられ息をととのへ降る雪に立つ」と詠みました。2人は、自分たちの歌が詠み上げられると感慨深そうに耳を傾けていました。
歌が披露された津南町の2人は、歌会始のあと記者会見しました。高橋健治さんは、「自分の歌が両陛下の前で披露され、とてもうれしかったです。歌会始に入選したことでエネルギーをもらえたので、地元で所属するいろいろな団体の活動にプラスに働かせていきたい」と話していました。
また、宮澤房良さんは「まったく思いがけない入選で、宮殿の「松の間」にいるのは自分なんだろうかと不思議に思うぐらいの気持ちでした。両陛下からは、雪下ろしの仕事や平成18年の豪雪の時のことについて代わる代わる尋ねられました」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1034819941.html?t=1358351675557