新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターで、ドジョウの食べ過ぎによるビタミン不足からケージ内でふらつくなどの異常な行動を見せるトキが相次いでいる。
個体数が増え、本来は若いトキの飼育に適さないケージに収容していることによるストレスなどが原因とみられ、分散飼育を進めるといった対策が急務となっている。
同センターによると、昨年10月以降の約3か月間で、ケージ内でふらついたり首を反ったまま動かなくなったりするトキの異常行動が計8件確認された。親離れしたばかりの0~1歳の若いトキに目立つ。こうした行動はこれまで、多い年でも年間4件ほどしか見つかっておらず、同センターの金子良則獣医師(54)は「今季は異常」と指摘する。
同センターでは現在、計112羽のトキを飼育。23あるケージに1ケージあたり2~15羽を収容しており、ケージによっては適正な飼育数を超えているという。
6羽を収容している「Dケージ6号室」では昨秋、4件の異常行動が確認された。同ケージは止まり木と餌場が離れており、昨季までは経験豊富な1歳以上のトキしか入れなかった。今季はケージが足りず、若いトキを入れたところ、馬肉やニンジンといった餌の量が減り、好物のドジョウばかり食べる偏食が起きた。餌場が遠いことによるストレスで、全体的な食事量が減少しているとみている。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/region/20130107-567-OYT1T00626.html