深海の厳しい環境の生態系を調べて生命の起源に迫ろうと、海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」が5日、神奈川県横須賀市から世界一周の航海に出発した。母船の「よこすか」に乗り、1年かけてインド洋から大西洋、太平洋を回る。
深海の海底は過酷な環境で、細菌のような初期の生命が誕生したころの地球に似ているとされる。
チームはまず東南アジア経由でインド洋を目指し、熱水活動が活発な中央インド洋海嶺などに生息するユニークな生物を調査。南アフリカ沖を回ってブラジル沖の南大西洋に出て、深海の海底油田や、海底からの高さが5千メートルを超す巨大海山の生物を調べる。南大西洋を有人潜水調査船が調べるのは世界初という。
中米のカリブ海では、熱水が湧き出す海底としては世界最深の海域に潜水。500度を超える環境に生物がいるのか、生命の限界に迫る。南太平洋では、世界で2番目に深いトンガ海溝の生態系を調べる。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130105/scn13010521170000-n1.htm