東日本大震災のあと新潟県が作成した津波被害の想定図に誤りがみつかり全面的に作り直すことになった問題で、関係する市と町に対する説明会が14日開かれ、県は新たな防災計画が今年度中に策定できないとの見通しを示しました。自治体の避難対策の見直しに大きな遅れが出るのは避けられなくなりました。
新潟市で県が開いた説明会には、沿岸部の10の市と町の防災担当者など20人あまりが出席しました。
県の担当者が状況を説明し、ことし6月に公表した津波の浸水想定図で、地震を引き起こす7つの断層の位置がいずれも南東方向におよそ12キロずれていて、図に示した津波の到達時間や浸水する範囲の想定が変わる可能性があり、全面的に想定図を作り直す考えを伝えました。
このため、県は新しい津波の防災計画が今年度中は策定できないとの見通しを示しました。
沿岸部の市と町は、県の想定を元に、それぞれ津波からの避難対策の見直しをすでに進めていますが、そうした作業に大きな遅れが出るのは避けられなくなりました。
出席した市と町の担当者からは 「住民の命に関わる問題なのに、県には当事者意識が感じられない」など厳しい意見が相次ぎました。出席した上越市の防災担当者は 「市民への説明をすでに始めていたのでショックだ。早く正確な想定図を作り直してもらった上であらためて対策を考え直したい」と話していました。
新潟県は専門家による委員会を設けて早急に想定図を作り直す作業に取りかかりたいとしていますが、いつ完成するかめどはたっていません。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1034112771.html