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<コツコツ健老塾>病名・脳卒中 治療・脳神経外科、神経内科

◇血管の詰まり・出血、急性症状

頭の激しい痛みや手足のしびれなどが急激に起こり、症状が一気に進んで死亡につながることもある脳卒中。30年前まで日本人の死亡原因の1位を占めた。昨年は、死因としては4位だったが、12万人以上が亡くなっている。脳卒中には、血管が詰まる「脳梗塞(こうそく)」と、血管が破れる「脳出血」があり、いずれも脳に血液が回らなくなって急性の症状を起こす。気温の下がる冬は、血圧が乱高下しやすく、脳卒中を起こしやすい季節でもある。加齢により血管がもろくなる高齢者は注意が必要だ。

◇冬に発症しやすく

脳卒中の患者全体の7割を脳梗塞が占めるという。脳梗塞のうち、脳血栓はアテロームと呼ばれるおかゆ状の脂肪性物質が血管にたまる動脈硬化が頭の血管にでき、血液が流れにくくなることで誘発される。一方、脳塞栓(そくせん)は、心臓の拍動が乱れる不整脈によってできた血栓が血流に乗って脳内に届き、異常のなかった血管に詰まりを引き起こす。そのため、元気だった人が突然発症する特徴がある。

血管が破れる脳出血は、高血圧を放置すると細い血管が突然切れて起こる。働き盛りの世代が突然襲われることが多いのがくも膜下出血。太い血管の分かれ目にできたこぶ(動脈瘤(どうみゃくりゅう))が突然破裂し、半数が死亡する可能性がある。

◇血圧、脈拍に関心を

脳卒中は、一度発作を起こすと死に至る確率が高いだけでなく、一命を取り留めても体にまひや言語障害が残ることが多い。東京都済生会中央病院の神経内科部長・星野晴彦医師は「自分の血圧や脈拍などに関心を持ち、気になることがあれば医師と相談して、発作を予防する治療を始めてほしい」と話す。

脳血栓につながる動脈硬化を予防するには、高血圧や糖尿病、脂質の上昇などに気をつける。また、喫煙は発症の危険を高めるので注意が必要だ。

脳塞栓は、「心房細動」と呼ばれる心臓の鼓動に乱れのある人のリスクが、そうでない人に比べて5倍も高い。自分の手首で脈を取ってみて、脈が飛んだり、リズムが不規則になる不整脈を感じたら、医療機関で心電図をとってもらい、治療を始めるべきか相談する。治療は、心臓に血栓を作らせない抗凝固薬を服用する。昨年から、副作用が少ない新薬が使用され始めたため、リスクが極端に高くない患者でも飲んで予防できるようになった。

脳出血を防ぐには、食事の塩分を減らして、血圧に気を配る。血圧の変動を記録して、病院で相談してみるとよい。家庭用の血圧計では、腕で測るタイプがより正確に測れるという。

くも膜下出血は、親や兄弟に患者がいる場合はリスクが高まるので、該当者は生活習慣に気を付ける必要がある。脳の血管を診断するMRA(磁気共鳴血管画像)と呼ばれる方法で3ミリ以上の動脈瘤は発見できるが、必ず破裂するわけではない。医師は大きさや場所、形から破裂する危険を判断し、頭を開く手術が必要かどうか検討する。

◇様子見は禁物

脳梗塞には、「一過性脳虚血発作」と呼ばれる前触れがあることもある。口が回らなくなったり半身がまひするなどの症状が表れるが、間もなく消えてしまう。このためすぐに病院へ行かない人が多いが、5~10%は48時間以内に発作を起こすとされる。見逃さずに、病院で検査を受けることが重要だ。「処置が早いほど救える可能性が高い。とにかく早く救急車を呼ぶことです」と星野医師は強調する。

脳梗塞には、薬剤で血栓を溶かして血流を再開させる血栓溶解療法(t―PA)と呼ばれる治療法がある。これまでは発症後3時間以内の患者が保険適用の対象だったが、8月31日から4時間半後までが認められるようになった。とはいえ、時間がたつほど、血が回らなくなった脳の組織が死んでしまい、t―PAで血流が再開した際に出血してしまうことがあるので、治療は早いほどよい。症状が出ているのに、様子を見ようとするのは禁物。この間に治療ができる貴重な時間が失われることになるからだ。

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/medical/20121126ddm013100024000c.html

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