静岡県下田市を訪れ、これまで3回にわたって内閣府が発表した「南海トラフ巨大地震」の被害想定がもたらした衝撃と、その真の狙いについて追究してきたチームぶら防。下田編の最後となる今回は、2つの話題を取り上げてみたい。
1つは「南海トラフ巨大地震は実際に起きるのか?」。そしてもう1つは「今、切迫性が高まっている本当の“危機”は何なのか?」という疑問だ。あえて根本的なテーマに立ち返った理由は、街を歩きながら話を聞いた下田で暮らす人々の多くが、「そんな巨大地震は起きるの?」といった素朴な疑問を抱いているから。そして何より、「もう諦めちゃうよ」と笑い飛ばす表情の裏に、どう備えるべきかといった防災の基本を見失いかけている心情が垣間見え、渡辺氏はより強い危機感を募らせたからだ。
今回発表された南海トラフ巨大地震の想定震源域に近く、津波や地震によって大きな被害を受けると考えられる地域に住んでいれば、誰しも「ホントにそんな巨大地震は来るの?」と疑いたくなるのは当然だ。特に東海地震の危険性について子供の頃から教え込まれてきた静岡県民なら、東海地震を今回想定の南海トラフ巨大地震に置き換えて考えてしまう方も多いだろう。
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