自治医科大学付属さいたま医療センター(さいたま市)で生まれた長男が障害を負ったのは、産後の「カンガルーケア」が原因だったとして、桶川市の両親らが17日、同大と国に約2億8千万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
訴状などによると、長男は昨年5月13日に誕生。羊水異常による低酸素血症の疑いがあったが、助産師は乳児を母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」をさせたまま病室を去った。約40分後に戻ったが、長男は心肺が停止しており、応急措置で一命はとりとめたものの、目が見えなくなるなどの後遺症が残ったという。
原告側は「羊水に異常があった場合、カンガルーケアは適さないことが医療センターのマタニティーブックに記載されていた」と指摘。病院は母親に対する十分な説明や母子の経過の観察を怠ったとしている。国についても、「危険性を指摘する研究会の報告があったのに、カンガルーケアを促進するガイドにそれを記載しなかった」ことを過失だと主張している。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/medical/K2012101708080.html