大きな被害を出した阪神大震災や東日本大震災で、防災に貢献しなかったとされる「地震予知」について、日本地震学会が名称を変更し、主要な研究目標にしない方針を固めていることが17日、分かった。学会自体が半世紀前に問題提起し、国が進めてきた「地震予知」の“方向転換”を求める異例の事態だ。
一方で、学会員(研究者)らの中には「研究対象として(地震予知を)放棄すべきでない」とする意見もかなり多いことなどを受け、学会は今後、名称をどう変更するかや活動方針について学会員から意見を求め、正式に方針を決定するとしている。
同学会は、「日本地震学会の改革に向けて」とする行動計画をまとめ、その中で「地震予知への取り組みを見直すべきだ」とする提言を掲げた。提言では、50年前に学会が問題提起し昭和40年から国が進めてきた、前兆現象をとらえ事前に地震発生を国民に警告する「予知研究計画」について、「阪神大震災や東日本大震災を事前に予測することはできず、現時点では実現の見込みはない」と総括。
「地震予知」は「地震発生予測」の一分野として研究の可能性は認めながらも、国民に誤解を与えるとして、学会の活動である「地震予知検討委員会」などで、「地震予知」という名称を取り下げるべきだとしている。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20121017124.html