心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された人に対して、厚生労働省が国民健康保険証に戸籍上の性別を記載する場所を通常の表の面ではなく裏面にすることを認めたのを受けて、戸籍上、男性となっている島根県松江市の54歳の人に、1日、新しい保険証が交付されました。
戸籍上、男性となっている松江市の上田地優さんは(54)は性同一性障害と診断され、「医療機関で保険証を提示するのが苦痛だ」として、国民健康保険証に記載されている性別を女性に変更するよう求めていました。
これについて、厚生労働省は、性別特有の病気があることなどから要望は認めないものの、一定の配慮が必要だとして、国民健康保険証に戸籍上の性別を記載する場所を通常の表の面ではなく裏面にすることを認め、全国の自治体に通知していました。
これを受け、上田さんは1日、松江市役所の担当者から新しい保険証を受け取りました。
この保険証の表の性別欄には「裏面参照」、裏面には「戸籍上の性別は男。ただし、性同一性障がいのため」とそれぞれ記載されています。
上田さんは「99%満足していますが、希望する性別が記載されていない以上、これでゴールとは言えない。これをきっかけに、人権教育という面で性同一性障害の啓発を進めていきたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121001/k10015433041000.html