福島第1原発事故で分かった安全上の問題点や、柏崎刈羽原発の安全対策について、東京電力は20、21の両日、柏崎市と刈羽村で住民説明会を開いた。約150人が参加。「原発の再稼働はやめてほしい」など、東電に厳しい意見が相次いだ。
東電は福島の事故について、「津波のせいで、原子炉を冷やす手段を失った。深層防護(事故予防策の破綻を想定し、次の対策を講じる考え方)が不十分だった」と説明。柏崎では海抜15メートルの防潮堤を建設中などとしたうえで、「これまでは(原発は)絶対安全かのような説明をしてきたが、これからはリスクは残るという前提で安全対策に取り組む」(姉川尚史・東電原子力設備管理部長)と話した。
これに対し、福島県浪江町から柏崎市に避難中という男性(38)は「生活が全て失われた。3歳の娘に、どうして(浪江町に)帰れないの、と聞かれ説明できない。再稼働はやめてほしい」と訴えた。刈羽村の男性は「電気は足りているのに原発を進める根拠は何か」と問いただした。
東電は「再稼働については、住民の理解と納得を得るまで何もできない」「停止するはずだった古い火力発電所を動かしており、電力供給に余裕はない」などと答えた。
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