乳児や幼児の気管支炎や肺炎の原因となるRSウイルス感染症の流行が急速に拡大している。8月20-26日の1週間の患者報告数は過去同時期で最多(1164例)となったが、その後も報告数は急増。9月3-9日の報告数は2785例に達した。さらに、主に14歳以下の小児が罹患するマイコプラズマ肺炎の基幹定点の報告数も、1年余りにわたって過去同時期で最多を記録し続けている。国立感染症研究所感染症情報センターでは、冬の本格的な流行期に向け、より一層の注意が必要と警鐘を鳴らしている。
同センターによると、RSウイルス感染症の小児科定点医療機関(約3000か所)からの報告数は、夏には少なく、冬に最も多くなる。例年、報告数が増え始めるのは9-10月ごろだが、昨年と今年は、7月ごろから報告数が増え始めた。
特に今年は報告数が多く、8月後半以降は毎週、過去同時期で最多の報告数を記録している。9月に入ってからは報告数の増加に拍車が掛かり、8月20-26日に1164例だった報告数は、8月27日-9月2日に1998例、9月3-9日には2785例となった。
8月26日までの累計報告を年齢別に見ると、0歳が46.3%、1歳が31.7%、2歳が11.7%、3歳が5.8%、4歳が2.4%などで、例年通り、3歳以下で全報告数の90%以上を占めた。
■マイコプラズマ肺炎の報告、過去同時期で最多が1年以上継続
マイコプラズマ肺炎も流行が続いている。毎週集計される基幹定点(約500か所)からの報告数は、昨年6月以降、一貫して過去同時期で最多を記録。8月27日―9月2日の患者数は510人に達し、定点当たりの患者数も1.09となり、昨年の同時期(0.74)を大きく上回った。9月3―9日の患者数は501人、定点当たりの患者数は1.08と、前週に比べてわずかに減ったものの、過去同時期の中では最も多かった。
国立感染症研究所感染症情報センターでは、マイコプラズマ肺炎については今後、さらに流行が拡大する恐れがあると指摘。RSウイルス感染症についても、その重篤性などから、いずれの発生動向も、さらに注意深く観察する必要があるとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120921-00000007-cbn-soci