水俣病の原因物質であるメチル水銀の毛髪中濃度で、世界保健機関(WHO)が「成人で神経症状の出現が疑われる最小値」としている50ppmを下回っても発症するケースが多数あることが、新潟青陵大の丸山公男教授らの研究で分かった。米国の医科学誌へ論文発表した。
毛髪中の水銀濃度は短期間で低下しやすく、日本政府は水俣病認定の基準としていない。ただ水銀による健康被害は海外でも報告されているため、丸山教授は「毛髪の水銀濃度で線引きするのは危険だ」と指摘。臨床例の少ない国や地域がWHOの基準を安易に適用しないよう訴えている。
新潟大などが昭和40年に新潟県の阿賀野川流域で実施した住民らの調査結果を再検討。手足のしびれなど水俣病特有の症状が認められた成人103人のうち、48人は50ppm未満だった。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120911/bdy12091120240003-n1.htm