[ カテゴリー:子育て, 生活 ]

「やばい」「ビミョー」では、将来が心配。食卓もにぎわう“おいしい言葉”

■いまの子は味覚が鈍くなっている?

「小学生に、甘さを感じる閾値(しきいち)ギリギリの0.3%のショ糖水を飲んでもらい、『どんな味がしますか?』と質問したところ、甘味を感じることができた子は3分の1ほどでした。一方、清涼飲料水と同程度の10%ショ糖水では、ほぼ全員が甘い、と答えました。なかに『甘すぎ』と感じた子がいて、お母さんに聞いてみたら『普段から薄味にするよう気を付けている』とのことです。子供の味覚は家庭の食生活の反映といえます」

子供の味覚について語るのは、東京ガス「食」情報センター主幹の杉山智美さん。同社では、各種の食育イベントで「味覚教室」を実施しているほか、主宰する子供料理教室「キッズインザキッチン」でも、「味覚体験コース」を設けている。甘味の違いを体験するのもその一環だ。

「味覚は学童期に発達します。甘味の濃いものばかり食べていれば、甘さを感じる力は鈍くなります」

では、どうすれば味覚が鋭い子に育つのか。あげてくれたポイントは2つ。

「まず、食経験の幅を広げてやること。甘いものばかりでなく酸っぱいものや塩辛いもの、また歯ごたえのあるもの、香りのあるものなど、バラエティーに富んだ食卓が子供の味覚を育てます。そしてもう一つは、食べているものの味を意識させること。食卓での会話がチャンスです。味を表現して人に伝えることで、繊細な風味にも気がつきます。親が黙って食べていたり、何を食べても『おいしい』で済ませたりでは、お子さんも食に関心は向きませんよね」

なるほど。確かに、近頃の若者からは「ビミョー」とか「ヤバい」とか、おいしいのか、おいしくないのかもよくわからない言い回しも聞こえてくる。なかには「しょっぱい」と「すっぱい」の違いがわからなかったり、おいしいものはみな「甘い」で嫌いなものはみな「苦い」と言ったりする子もいるという。

「テレビを見ながら食べたり、なにげなく口に運んでいるのでは、微妙な味の違いには意識がいきません。もしかしたら、いま何を食べているのかもわかっていないのかもしれませんね」と杉山さん。

同社の教室では、甘味、酸味、塩味、苦味の基本4味にどんな食材があてはまるか考える、食感や匂い・温度などにも注意させて五感で味わうなどのプログラムもある。参加者のアンケートでは、「食(料理)に興味を持つようになった」「味や匂いに関する発言が増えた」という声がよく聞かれるという。

都内に住む川村勝重さんは、長女が小学4年生のときに同社の味覚教室に通わせた。長女はもともと料理に興味を持っていたが、味覚教育を受けてちょっとした変化があったという。

「見えない素材にとても興味を持つようになりました。『これは何をつかってあるの』とよく言うようになって、たとえばハンバーグの日にも、『どんなスパイスが入っているの?』『バターの香りがするね』と言ったり。煮付けを食べたときも『とろっと甘いのは何でだろう』って。仕上げにバターを使ったことや、みりんで照りを出したことを母親が説明していました。『お肉も焼き具合で香ばしさが変わるね』とか『ポンカンは温州ミカンより香りが強いね』とか、感じた味をきちんと表現するようになりましたね」

味覚の教室、どうやら効果は大きそうだ。杉山さんに家庭の食卓での会話を弾ませるコツを聞いてみた。

「『おいしいね』だけでなく、どんな食材を使っているかとか、どんな加熱の仕方をしているかを話題にしてみるのです。たとえば、『今日は蒸しているから、ホクホク軟らかいね』とか、『揚げるとこんがりして表面はサクサク、中の風味も変わるんだな』とかボキャブラリーも広がり、味覚への理解も深まります。また、『ホクホク』『ぷりぷり』といった食感や風味を楽しむには、できたての料理を家族が集まって食べることも大事です」

http://news.goo.ne.jp/article/president/bizskills/president_7038.html

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