高機能携帯電話スマートフォン(スマホ)のアンドロイド端末で、「電池を長持ちさせる」「抽選で当たる」などとうたいながら、実際にはそのような機能はなく、裏で電話番号やメールアドレスを抜き取る不正なアプリ(応用ソフト)が急増している。
情報セキュリティー会社「シマンテック」(東京)によると、こうしたアプリは7月以降、10種類見つかっており、同社は刑法で作成や提供を禁じるコンピューターウイルスにあたる可能性があるとして警視庁に情報提供した。
「電池長持ちアプリの初期設定を行っております」「2倍以上変わります」。スマホの電池を長持ちさせる機能をうたったアプリをインストールすると、このような表示が出た直後、「お使いの端末は未対応のためご利用いただけません」というメッセージが表示された。
この時には既に、端末内に「連絡先」として登録されていた電話番号やメールアドレスは外部に送信されていた。
このアプリを解析した同社の浜田譲治主任研究員は、「対応する端末など一つもなく、電池を長持ちさせる機能もない。あるのは、スマホ上の連絡先データを外部送信する機能だけだった」と指摘する。
このほか、同社では、「電波の受信状況改善」や、「画面を太陽光に向けるだけで充電できる」などとうたったアプリも確認。いずれも、そのような機能は搭載されておらず、情報抜き取りが目的だった。
また、女性用求人サイト上で見つけた「当たるかな?」というタイトルのアプリの場合、「当たり」はなく、すべて「残念、ハズれました」との結果が表示される設定になっていた。その間に、電話帳が外部に送られる仕組みで、インストールした端末にはその後、大量の迷惑メールが届いているという。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20120822-567-OYT1T00686.html