東日本大震災で被災した福島県に約40回通い、支援を続けている小千谷市のNPO法人「おぢや元気プロジェクト」が、同県南相馬市の三つの仮設住宅に住民の憩いスペース「心の駅」をそれぞれ造った。木材を利用した壁のないあずまやのような造りで、同NPO会員と地元住民が協力して組み立てた。
同NPOは小千谷市などを襲った04年の中越地震以降、避難生活で孤立したり、ストレスを抱えたりする人々が交流できる場をつくろうと、県内外に心の駅を造ってきた。
大震災を受け、同県ではいわき市小浜町で昨年7月に初めて設置。弁当を食べたり、おしゃべりをしたりするのに大好評で、南相馬市でも作ってほしいと声が上がっていた。
そこで同NPOが、住民や自治会長の希望を元に、角川原▽小池長沼▽小池第1の3仮設住宅の空き地に造った。今回は同県の補助事業に採択された。
2日間の日程だったため、現地では組み立てだけで済むように、角材などを事前に準備。小池第1では、高齢女性が以前、「家が狭くて行く所がない」と言って桜の木の下で座り込んでいたことを聞いたため、設置を目指していた。また、小池長沼では住民の公募で「つながろう 心の駅」と名付けた。
今後も南相馬市にさらに3カ所造る予定。同NPOの若林和枝理事長(53)は「完成した心の駅を見て『ここを囲んで盆踊りをしよう』と言う人もいた。喜んでくれてうれしい」と話した。
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