誰もが、もっと休息を取った方がいいということはわかっているはずなのに、実行できている人は少ないように思います。仕事や環境からくる自分ではどうしようもない慢性的な疲れは、忙し過ぎて十分に睡眠時間が取れないのが一因でもあります。
最近の研究によると、睡眠時間が足りないと体に深刻な影響があるだけでなく、健康にあまり良くない食べ物を選びがちになってしまったり、脳卒中を引き起こしやすくなったりするのだそうです。今回は睡眠不足にまつわる2つの研究結果をご紹介します。
■睡眠不足だとジャンクフードがより魅力的に感じる?
睡眠時間が十分でないと、メニューを選ぶ基準を脳が変えてしまうそうです。コロンビア大学のMarie-Pierre St-Onge博士の研究によると、睡眠不足の脳では、不健康な食べ物を前にした時に、快楽中枢の動きがより活発になりました。十分に睡眠が取れている状態ならば、リスクを冒してまでそれらを選ぶことは少なくなりました。
さらに、カリフォルニア大学バークレー校のStephanie Greerさんによる別の研究では、睡眠不足になると、行動や選択を司る脳の一部が正常に機能しないことがわかりました。前述の研究も鑑みると、食べ物を前にした時に良い選択ができなくなっている、ということがいえそうです。
何かをがんばったご褒美として好きなものを食べる、というのは別としても、以前から「睡眠不足が食べ過ぎを引き起こす」とか「人間は疲れると余計なものを食べてしまう」という研究結果も紹介してきました。今回取り上げた2つの研究によって、さらに説明がつくでしょう。
■平均睡眠時間が6時間以下の人は、脳卒中の危険性が4倍に
睡眠不足が脳卒中のリスクが著しく増大するそうです。最近の研究では、一晩の平均睡眠時間が6時間以下の人は、脳卒中の危険性が4倍になることがわかりました。成人5000人以上を対象にした研究で、BMI指数(肥満度指数)が標準の人でも、睡眠時無呼吸症候群ではなくても、脳卒中の危険性が増大しました。肥満は脳卒中のリスクが高まりやすいとされますが、太り過ぎではない成人でも、睡眠不足によってその危険性が増大するということです。
成人の社会人のうち30%は平均睡眠時間が6時間以下という、とても悪いニュースもあります。睡眠不足は肥満を引き起こす要因になり、脳卒中のリスクにもつながるということを覚えておいてください。
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/life/lifehacker_25421.html