東北大大学院の松本和紀准教授は26日、日本医師会が開いた「救急災害医療担当理事連絡協議会」で講演し、災害や悲惨な事故の現場で活動した人が、不眠やフラッシュバックなどを引き起こす「惨事ストレス」の対策には、本人・組織が惨事ストレスを理解しておくことや、しっかり休養を取ることが重要との見解を示した。
惨事ストレスでは、不眠やフラッシュバックを引き起こすほか、記憶が断片的になったり、罪悪感に悩んだりする。ほとんどの人は半年から1年で回復するが、慢性化する人もいる。
その対策について松本氏は、本人が、惨事ストレスが起こり得ることを事前に知っておくべきだと指摘。活動中や活動後に休養をしっかり取ることや、活動について仲間に話すことも必要だとした。
一方、組織レベルの対策としては、管理職らが惨事ストレスについて理解しておくことや、休養を取れるよう派遣後の勤務態勢を整えることが重要だと説明した。
その上で、具体的な対策としては、▽惨事ストレスについての定期研修▽日ごろからの一般的なメンタルヘルス対策▽派遣後のセルフチェックやフィードバック―などを挙げた。
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/medical/cabrain-37761.html