本日(18日)の日経朝刊 第15面に「熱中症対策 梅雨明け前に」と題して記事掲載されました。
一昨年(2010年)には統計開始の昭和39年以降、過去最高で1718名もの熱中症による死亡者が出ました。(厚労省調べ)
その発生場所は不明の774名の方を除いた944名で計算しますと、家(庭)が783名で何と全体の82.9%を占めます。
また65歳以上が1362名で79.3%になります。
一昨年の記録的な死亡者数から注目され始めた熱中症ですが、その対策は主に夏本番ですが、暑さに強い体作り等の予防は今から出来ることです。
日本生気象学会では熱中症予防対策、熱中症予防指針等 積極的に情報発信をしておりますが、その中でも、特筆すべき情報のみ抽出させて頂きました。
1.暑さに備えた体作り
本格的な夏が来る前がチャンスで、「やや暑い」環境で「ややきつい」と感じる運動を1日30分間、4週間程度続けて下さい。汗が出やすくなって暑さに強くなります。
そして運動した後に、すぐにたんぱく質や糖分を含んだ食品(牛乳など)を摂るとその効果がより高まります。
2.体調と熱中症
熱があったり、お腹を下していたり、二日酔いや寝不足などで体調が悪い時には熱中症にかかりやすいので注意が必要です。→飲みすぎは飲酒の習い性につながり、飲酒は決して眠りを深めないという話もあります。酒量を減らすこと、あるいはノンアルコールのものに変える習慣付けも今から出来ることのような気がします。ちなみに私(代表 片桐)はほぼ断酒に近い生活です。
3.熱中症にかかりやすい方
太った人は体温が上昇しやすく、熱中症になりやすい傾向にあります。スポーツ活動中に熱中症で亡くなった子どもの7割は肥満者という報告もあります。→そう言えば昨年の区のバレーボール大会で体育館で熱中症にかかられた選手は太っておられました。また、アルコールは高カロリーで、また外で飲むと酒のつまみも高カロリーのものが多く、肥満につながります。先の減酒同様、お酒との付き合い方も見直してみても良いのではないでしょうか。もちろん健康的なダイエットはそれ以上にお勧めです。
高齢者は発汗や皮膚血管の働きが低下して体温の調整が上手くできない人が増えます。ですから感度が鈍くなっているため、暑さや喉の渇きを感じなくなって、暑さを避ける行動も低下しますので、周辺の人が注意して下さい。→毎週日曜日のグラウンド・ゴルフの開始時間を朝の7時に統一しました。またことあるごとに水分補給を勧めています。
また乳幼児は体温調整の働きや、暑さを訴える言動が充分に発達していないため、保護者がよく注意しましょう。→乳幼児の熱中症による死亡事故の大半は炎天下に停車中の車の中で起こっています。短時間でも車中の温度はすぐに40℃~50℃になります。
最後に熱中症は傷害保険対象外です。と言うのも不慮の事故の定義である「急激」かつ「偶発的」な「外来」の事故という3つの要件を満たしていないからです。
・急激・・・自動車事故や物が落ちてくる、土砂に押し流されるなど突発的な出来事であること
・偶発的・・・本人が予期し得ない偶然な出来事であること
・外来・・・身体へ外部から力が加わること
地域で行われるスポーツの練習や試合、大会などには大抵、保険がかけれておりますが、熱中症は除外されております。
ご注意下さい。
参照:
日本生気象学会 「防ごう熱中症-節電下の熱中症予防対策 Q&A-」
http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/pdf/yobotaisaku.pdf
同学会 「日常生活における熱中症予防指針」Ver. 2
http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/pdf/shishinVer2.pdf
以上、皆様のお役に立てば幸いです。
http://news.goo.ne.jp/article/topbrain/bizskills/healthcare/topbrain_308.html